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  • オーダー家具ブランド「PYTHAGORA」 オーディオを熟知した“収納美”が光る ブランド工房&ショールームを見学! オーダー家具の実例も

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2023年9月19日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

オーディオラックは数あれど、吟味を重ねた大切な機器を収めたくなるデザイン性と機能性を兼ね備えたものは意外と少ないもの。今回紹介するPYTHAGORA(ピタゴラ)は、江戸川区小岩に工場とショールームを構える、オーダーメイドにこだわった家具メーカーです。以前よりInstagramでその存在は知っていましたが、実際赴いて話を聞くことができました。

家具はすべて工房でオーダーメイド

PYTHAGORAの本社&ショールームは、JR小岩駅から徒歩15分ほどの住宅地にあります。工房に隣接するショールームで待っていたのは、代表取締役の髙橋賢次郎さん。2011年に小さな工房でオーダー家具事業を個人ではじめ、2017年11月に株式会社PYTHAGORAを立ち上げました。

転機となったのは、ミラノでの工場見学。大メーカーはもちろん、小規模な工房までもれなく世界最先端のCNCルーター(コンピューター制御の工作機械)を導入していることに衝撃を受けます。帰国した髙橋さんはすぐさま大型のCNCルーターを置ける物件を探し、都内へのアクセスもいい小岩を本拠地に決めたのです。

  • 世界最先端の5軸CNCルーターはドイツHOMAG製
  • 数値を打ち込めば正確にカットしてくれます
  • 細かい部分の仕上げは職人が手作業で

父譲りのオーディオ好きが高じて

オーダー家具というサービスの中でもオーディオラックに力を入れている理由を髙橋さんに尋ねました。

「父の影響もあって、もともと私自身がオーディオ好きなんです。東京・銀座のオーディオショップ、サウンドクリエイトに通っていました。DIYではないですが、自分用にオーディオラックを作ったのがキッカケでした」

市販のオーディオラックは音質をアピールするばかりで、収納する個々のアイテムの魅力や、空間に置かれたときの佇まいにまでじゅうぶん意が払われているものは少ないように思います。その点PYTHAGORAの家具には「収納美」、そしてオーディオやオーディオ機器を愛するオーナーの気持ちをできるだけすくい取ろうとするぬくもりが感じられるのです。

  • テレビ・オーディオ一体型壁面収納の実例。大型テレビとオーディオセット、書籍などのコレクションが美しく収納されています。大切に扱われているのが一目で伝わってくるような温かみのある佇まい
  • オーディオ一体型ワークスペースの実例。東京・銀座のオーディオショップ、サウンドクリエイトの店舗内に、書斎スペースでオーディオを楽しみながら仕事に取り組むシーンをイメージしてつくられています
  • ホームシアターにプロジェクターピラーをつくった実例。天井までのジャストサイズで設置されていますが、移動・固定どちらにも対応しています。下部分は収納棚になっています

インテリア性と収納美を兼ね備える

こうして生まれたPYTHAGORAのオーディオ家具。機材やソフトなどがピッタリ入る「サイズ」、オーディオ好きだからこそわかる「機能性」、そして大切なものを収納し空間に溶け込む「デザイン」が調和して盛り込まれています。

レコード収納棚がジャケットにジャストサイズなのは承前、ラック全体を引き出して背面の配線にアクセスしやすいよう「隠れキャスター」を内蔵したり、箱型でありながら側板の共振を防ぐためにスリットを施したり、板厚を感じさせないよう面取りして薄く見せたり、といった工夫が随所に見られます。

  • 隠れキャスターはその名の通り、使わない際は見えないよう設計
  • ケーブルホルダー付き、スリット入りの特注ラックも

そんなPYTHAGORAの家具は、すべてオーダーメイド。ネットでも即買える定番サイズの「FLEX」のほか、スタッフがオーナー宅まで赴いてプランニング・設計・製作・納品まで行う「TAILOR」サービスがあります。

いずれの家具も製作はすべてショールームに隣接する小岩の工房で行うので、材料さえ揃えばすぐに製作・納品にこぎ着けることができるのもメリット。価格もリーズナブルで、ほかにはない収納を求める人にはぜひ検討して欲しい家具メーカーさんです。

  • ショールームでは「FLEX」製品が展示されているほか「TAILOR」のオーダー相談も可能

INFORMATION

  • 取材に協力してくれた株式会社 PYTHAGORA代表取締役の髙橋賢次郎さん

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