VGP phileweb

実例

  • リビングシアターCASE55
    こだわりの27畳空間にカジュアルに溶け込む
    “勾配天井”と“造作棚”の美観と機能を最大限に活かす

    取材・執筆 / 竹内純(ホームシアターファイル編集部)
    2023年12月15日更新

機器の圧迫感を取り払うプロの技が活きる

27畳の開放的な空間に、家族皆でカジュアルに楽しめるホームシアターを作りたい。そんな要望に応えてくれたのは、アバック梅田店の吉田店長とインストーラーの板野氏です。心掛けたのは“大がかりなシステム”になりすぎないことでした。

  • 特徴的なデザインである勾配天井が採用された広々とした27畳のリビングに、部屋の美しさを一切損ねることなくホームシアターをインストールしました。

「天吊りにしたくない」との要望を受けたプロジェクターは、山本さんからのアイデアやハウスメーカーとの綿密な打ち合わせにより、後方の壁面へボックスを設けて収納しました。スピーカーは前面に配置するフロントスピーカー、センタースピーカー、サブウーファーにはできるだけコンパクトなパフォーマンスの高いモデルを選択しています。サラウンドスピーカーとトップミドルスピーカーは、ともにユニソニック「AHT525IW」を用いて天井への埋め込みとすることで、圧迫感を取り払いました。

  • 天井埋め込みとしたサラウンドスピーカー、トップミドルスピーカーは、勾配天井のために右と左で高さが若干異なっていますが、これは部屋の美しさを優先したため。AVアンプの音場補正で調整したことで、サラウンドサウンドのパフォーマンスは損なわれていません。
  • 機器の存在をできるだけ薄めたいというリクエストから、プロジェクターは天吊りではなく、視聴位置の後方にあたる壁面にボックスを作成して収めています。
  • サラウンドスピーカー、トップミドルスピーカーには、ユニソニック「AHT650IW」を選択して埋め込みとしました。
  • フロントスピーカーにコンパクトなモデルを選択したことは、後々に上位グレードのモデルへのステップアップのしやすさも考慮したものです。

建築士の大きな2つのこだわりポイントでもある、リビングルームの美しさの象徴ともいえる“勾配天井”のスタイリッシュさを損なうことなく、スクリーン下に配置された“造作棚”の美観と機能を最大限に活かし、さりげない佇まいのホームシアターを完成させました。

  • 黒壁に合わせてスピーカーも黒く、コンパクトサイズのものにしたため「より日常の生活に寄り添ったリビングシアターで本当によかった」と奥様。「リフォームや新築のタイミングがやはりキレイに収められますね。こだわるのならこのタイミングです」とご主人。
  • 建築士こだわりの造作棚は宙に浮かしたデザイン。AV機器は重量があり、また、サブウーファーも床には置きたくないとのリクエストから、当初の設計では耐荷重が厳しかったため、山本さんご夫婦、建築士、板野氏の間で綿密に連絡をとり、横一杯5,330ミリまで広げました。フロートタイプとすることで圧迫感が薄れ、掃除がしやすいメリットも。

大型テレビとも一線を画す130インチの大迫力

「ホームシアターの存在感が強過ぎず、リビングの空間に本当にうまく溶け込んでいます。プロジェクターも埋め込みにできたので、お客様がいらっしゃっても、一見ホームシアターがあるとはわからないくらいです」と奥様も大満足のごようすでした。

その一方で、映画好きのご主人の「できるだけ大きな画面で楽しみたい!」との要望に対しても、勾配天井とスクリーン下に位置する造作家具との距離感をギリギリまで攻めることで130インチの電動スクリーンの導入を実現しています。「今は70・80インチの大型テレビも珍しくなくなりましたが、そうしたテレビとはやはり一線を画します。臨場感が全然違いますよ」と目を丸くする大迫力です。

  • 勾配天井のため、スクリーンの設置にあたっては壁をふかして調整。天地サイズは当初120インチがギリギリのところを、上部を彫り込んで130インチを実現しました。
  • スクリーンの右サイド上部にはエアコンが設置されています。

映画や音楽がおうち時間を充実させる

Amazonプライム・ビデオ、Netflix、Huluなどの映像配信で、ご夫婦それぞれにお好みのコンテンツを満喫されておられます。「子どもがもう少し大きくなったら、一緒にゲームもやりたいですね」と夢を膨らませるご主人。奥様は映画を観るだけではなく「キッチンで料理をするときに音楽を聴く機会も増えました」と思わず笑顔がこぼされます。

寝室にはご主人自ら話題の「popIn Aladdin」を設置するなど、プロジェクターによる大画面がごく身近に感じられる環境を構築。大好きな映画や音楽に包まれる空間が、コロナ禍のお家時間をより充実したものへと進化させていました。

  • スクリーンを上げた状態でも空間がより広く見えるように、テレビは壁掛けにしてスタイリッシュに設置しています。
  • インストールを手がけたアバック梅田店の板野敏明氏。

写真/大野博

山本邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦+子ども1人 ●ホームシアターの広さ:27畳 ●画面サイズ:130インチ+60インチ ●サラウンド:5.1.2ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニングほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:エプソン EH-TW8400 ●スクリーン:シアターハウス THSC130-H2300 ●液晶テレビ:シャープ LC-60US20 ●AVアンプ:デノン AVR-X2700H ●フロントスピーカー:デノン SC-A37 ●センタースピーカー:デノン SC-C37 ●サラウンドスピーカー:ユニソニック AHT650IW ●トップミドルスピーカー:ユニソニック AHT650IW ●サブウーファー:デノン DSW-37

INSTALL SHOP
アバック梅田店
〒530-0051
大阪府大阪市北区太融寺町2-11 ジ・アドレス梅田 1F
TEL:06-6949-8726
営業時間:11:00〜19:00
定休日:火曜日、水曜日
https://corp.avac.co.jp/contents/shop/osaka_umeda.html

その他の事例>>>「リノベでつくったカフェ風シアター」

その他リビングシアターの事例を見る