自宅を取り壊して防音室のある新築に
お子様が独立した後のセカンドライフ。老後にはまだ早いけれど、夫婦でこれからどう過ごすか考えた時、共通の趣味である「映画鑑賞」を存分に楽しめる部屋をつくりたい。そう考え、思い切って自宅を取り壊して新築したKさん。以前もホームシアターを楽しんでいましたが、隣家への音漏れが気になり大音量で楽しむことができなかったといいます。
その点も新築する理由のひとつだったそうで、防音とドルビーアトモス環境の両方を実現した専用室をつくり上げました。Kさんは、ケーブルの配管など本格的な施工が必要だと考え、ホームシアターファイル誌を頼りに図面製作ができる店舗を探し、広島から山口にあるサウンドテックの宮﨑謙次氏に相談を持ちかけました。
「防音室は広島のDAIKENショールームに何度も足を運び、わが家の周辺環境と『外に音を出さない』というニーズに合わせた建材プランを提案してもらいました。サウンドテックの宮﨑さんには、そうした前提条件に加えて、スピーカーも複数所有していたので、こちらも転用したプランを用意してもらいました」(Kさん)。
Kさんの希望を受けた宮﨑氏は、大画面にこだわりつつ、定在波の影響も考慮したレイアウトを提案。約9畳という広さは決まっていたので、120インチを確保するために、隣室のトイレの天井を下げることでプロジェクターボックスを確保。さらに反響音対策や投写光の通り道を確保するために勾配天井にしてもらうなど、ハウスメーカーと何度も図面のやり取りをおこない、Kさんの理想の空間を作り上げました。
- 映像を投写できるプロジェクター、ビクター「DLA-V70R」。図面上は12.5畳ありますが、防音室工事により部屋の有効寸法は約9畳まで少なくなってしまいます。そのため120インチの投写距離を稼ぐためにボックス設置を採用しました
映画館さながらの音響クオリティが完成
完成した7.2.4ch構成、8K&120インチという映画館顔負けの専用室。実際に試聴させていただきましたが、低域がスッキリとタイトに再生されており、ブーミーさのかけらもない透明度の高い音場再現でした。レイアウトや音響設計を綿密におこなうインストーラーの手腕に驚かされた取材でした。
- 天井のもっとも高い位置にイクリプス「TD508II」を設置。これもKさんが以前からお持ちだったスピーカーですが、こうして後で天吊りすることも念頭に入れて購入したとのこと。何年も前からホームシアターの準備をしていたのです
写真/草野清一郎
K邸ホームシアター概要
HOMETHEATER DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦 ●ホームシアターの広さ:約9畳 ●画面サイズ:120インチ ●サラウンド:7.2.4ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング ほか
SYSTEM LIST
●プロジェクター:ビクター DLA-V70R ●スクリーン:オーエス PA-120H-02-WF302 ●Ultra HDブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-ZR1 ●AV アンプ:デノン AVR-X6700H ●フロントスピーカー:KEF Q950 ●センタースピーカー:KEF Q650c ●サラウンドスピーカー:KEF Q750 ●サラウンドバックスピーカー:イクリプスTD508II ●フロントハイトスピーカー:イクリプス TD510 ●トップミドルスピーカー:イクリプス TD508II ●サブウーファー:イクリプス TD316SWMK2×2
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サウンドテック
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