- サウンドバー
JBL「BAR 800」
¥OPEN(直販サイト価格¥99,990/税込)
脱着式のワイヤレスリアスピーカーを備えたことで大きな話題を集めた「JBL BAR 1000」。「JBL BAR 800」はそんな人気モデルの弟機として誕生。機能面は大きく変わらないにも関わらず、価格は10万円を切るお買い得モデルになっています。試聴機会がない直販限定モデルの本機の実力に、半年使い続けた折原一也氏が迫ります。
リアが脱着できて価格は10万円以下を実現した!
2022年の発売以来、「無線でつながるバッテリー内蔵リアスピーカー」という革新的なギミックによって、14.3万円という高額にも関わらずスマッシュヒットを続ける「JBL BAR 1000」。
そんなBAR 1000の仕様を継承しながら、アンダー10万円に価格を抑えた弟モデルが「JBL BAR 800」です。実売価格でBAR 1000の約3分の2でありながら、仕様面の大きな差分はリアスピーカーにハイトスピーカーがあるかないか程度。しかも映画の重低音再生に求められるワイヤレスサブウーファーは同一。それでいてお求めやすい価格を実現しているのは、やはり「メーカー直販モデル」というユーザーとのコミュニケーションを大切にした戦略モデルという位置付けだからでしょう。
そんなJBLが力を入れているBAR 800を詳解しましょう。まずスピーカー構成は、ドルビーアトモスにも対応した5.1.2ch。合計11基のスピーカーユニットを搭載し、脱着できるリアスピーカーはバッテリー内蔵でワイヤレス接続も可能。サブウーファーは直径250mmもの大型ユニットを採用。そして駆動するアンプは、総出力720Wと非常にパワフルです。
接続端子はHDMI eARC以外にも、レコーダーやゲーム機との接続に便利なHDMI入力、光デジタル入力を搭載。さらに音楽リスニングに便利な機能も充実しています。Bluetooth接続に加え、AirPlayにも対応。Wi-Fi接続もできるのでSpotify ConnectやAmazon Musicの再生にも対応します。さらにイコライザーや自動音場補正も搭載されているなど、ほしい機能はすべて搭載されているといっても過言ではありません。
- リアスピーカーが外せる、しかもバッテリーを内蔵
BAR 800は、サウンドバー部の両端に脱着できるスピーカーが付属します。ワイヤレス接続できるほか10時間の再生が可能なバッテリーも内蔵。サウンドバーに取り付けている際に充電できますが、取り外した状態でも脱着式スピーカーにはUSB Type-C端子も搭載するので別売のケーブルを使って充電することもできます
- 10基のスピーカーを内蔵、ドルビーアトモスに対応
フロントとセンターチャンネルを担うサウンドバー部には、レーストラック型ドライバーとトゥイーターの組み合わせで各3ch、ドルビーイネーブルドスピーカーとしてフルレンジユニットを2ch搭載します。脱着式スピーカーにはレーストラック型ドライバーを2ch搭載。バーだけで10基、サブウーファーもあわせれば合計11基のスピーカーを使っています
- BAR 1000との差分はリアスピーカー部
上位モデルのBAR 1000とBAR 800との差分で大きいのは脱着式スピーカー部。ドルビーイネーブルドスピーカーが搭載されているのがBAR 1000でBAR 800は非搭載。包囲感やドルビーアトモスの立体感といった表現はBAR 1000に譲るが、価格を考慮するとBAR 800で十分だと考える方も多いでしょう
実在感あるサラウンドに映画館クオリティを感じる
そんなBAR 800を、筆者は昨年10月の発売以来、約半年に渡って自宅リビングでエンタメ鑑賞用に活用しています。長く使っていて強調したいのは、やはりバーチャルでは味わえない唯一無二のサラウンドサウンドが凄いということ。たとえば、映画『トップガン マーヴェリック』では、フロントスピーカーとリアスピーカーの連携によって、戦闘機が背後まで回り込む移動感も見事に再現します。アニメ『すずめの戸締まり』を観れば、セリフの鮮明さにくわえてBGMで流れるコーラスの再現も巧みだとわかります。そしてNetflixで配信中のSFドラマ『三体』では、リアがあることで不気味な世界観に包まれるような重厚さをよりリアルに感じられます。
そして付属するサブウーファーが上位機種と同一という点もストロングポイントだと感じました。設置性の観点では、サイズを気にするかもしれませんが、この大きさこそが映画の迫力、重低音再生の余裕をもたらしてくれます。BAR 800は1本タイプのサウンドバーにはない、本格シアターの領域に踏み込んでいます。
- HDMI入力を搭載!ディスプレイを選ばない
テレビがeARCに対応していないと、テレビ経由でドルビーアトモスの信号を受信できませんが、BAR 800はHDMI入力端子を備えるので、レコーダーやゲーム機からドルビーアトモス信号を直接受け取ることができます。接続するディスプレイを選ばず、高品位なサラウンドが楽しめます。地味ですが、あると嬉しいポイントです
1本スタイルの利用時も十分な迫力を堪能できる
最後にわが家でどのように活用しているかも紹介しましょう。正直に話すと、リアスピーカーを外しているのは週末くらいです。家族で映画を本格的に楽しみたい際に、ソファの背もたれにリアスピーカーをセットして使っていますが、ニュースやバラエティ番組、アニメなどを視聴する際には、リアスピーカーを本体と合体させた1本タイプのサウンドバーで使っています。というのも、1本でも十分な迫力を堪能できるからです。結合状態ではリア部から音が出なくなってしまうのでは?という声も多いそうですが、それは心配無用。11基すべてのスピーカーを活用した1本サウンドバーモードになり、バーチャルサラウンドとマルチビームによる広い音場再生が楽しめます。
JBLがはじめた「無線でつながるバッテリー内蔵リアスピーカー」という製品は、いまだ他社が追随しないオンリーワンの存在。BAR 800は、1本タイプのサウンドバーとしても「5.1.2ch完全ワイヤレスサラウンドシステム」としても、無駄が一切なく、常に最高峰のサラウンドを体験できる優秀モデルとして推薦しましょう。
- BGM再生に便利な音楽リスニング機能
多くのサウンドバーはBluetooth接続で音楽再生しますが、その場合はスマホに着信があると音楽が途絶えるし、そもそもスマホが近くにないと音楽再生できません。その点、BAR800はWi-Fi経由でSpotifyやAmazon Musicなどの音楽ストリーミングサービスを直接受信して再生するので、一度再生すればBGMのように音楽再生ができます
SPEC
JBL「BAR 800」
¥OPEN(直販サイト価格¥99,990/税込)
●総合出力:720W ●スピーカー構成:5.1.2ch ●スピーカー:サウンドバー部/46×90mmレーストラック型ドライバー×3、20mmトゥイーター×3、70mm天井反射用フルレンジドライバー×2 リアスピーカー部/46×90mmレーストラック型ドライバー×1 サブウーファー部/250mmウーファー×1 ●接続端子:HDMI出力(eARC対応)×1、HDMI入力×1、光デジタル音声入力×1、USB、LAN ほか ●外形寸法:1,174W×56H×120Dmm(リアスピーカー装着時のサウンドバー)、305W×440.4H×305Dmm(サブウーファー) ●質量:3.4kg(サウンドバー)、1.3kg(リアスピーカー/1台)、10kg(サブウーファー)