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実例

  • 専用室シアターCASE26
    “ドルビーシネマ”を目指して憧れを叶える
    140 インチ・スクリーンと7.1.6ch システムを導入

    取材・執筆 / 塚田真由子(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2022年6月3日更新

約12畳にシネフィルの希望を注ぎ込む

「映画好きが高じて、映像の編集スタジオで働いていたこともあるんです。その頃からシアタールームのある家をつくりたいと思っていました」とオーナーの田中さん。そんなシネフィルの田中さんは家づくりと同時にホームシアターづくりを決意。専用室であれば、機器を置くのに十分な広さを得られ、大画面とサラウンドを存分に楽しめます。そして目指すのは、憧れの「映画館」です。

インストールを手がけたのはダイナミックスカスタマイズの小山信一郎氏。約12畳の部屋を映画館へと変えるべく、アイデアを注ぎ込みました。まずはディスプレイ。「映画を観る時は映画にだけ集中したい。映像以外のものが視界に入らないようにしたかった」という田中さんの要望に応え、140インチサウンドスクリーンをチョイス。視界いっぱいに広がる大画面は、まるで映画の世界に包み込まれるような感覚を味わえます。

  • 美しい映像を観るための迷光対策も万全。「ドルビーシネマ」をイメージし、黒と青を基調とした空間にしています。
  • 映画館と同一の体験が可能な電動サウンドスクリーンは140インチ。オーエスの「サウンドマット(WS103)」を採用しています。
  • スクリーンを上げると、フロントスピーカー、センタースピーカー、サブウーファーが現れます。スピーカーの下の床面はタイルで仕上げています。「新築で専用室の場合、スピーカーを置く床面を硬い素材にすることをお薦めしています。その方が余計な振動が抑えられ、自然な響きになります」と小山氏。

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オールJBLで7.1.6chを実現

音響機器も規格外です。「映画館といえばJBL」というイメージをお持ちの田中さんの希望に応え、ドルビーアトモス7.1.6のスピーカーはオールJBL。フロントやサラウンドスピーカーにはスタジオモニターが採用されています。

それ以上にこの物件が素晴らしいのはレイアウトです。AVアンプなどの機器類は視聴位置後方にマシンセクションを設けて収めることで、映像への没入感を高めています。さらにシアタールームの前に前室を設けたことも、隣室への音漏れ軽減に寄与しています。

  • フロントスピーカーは青いバッフル板が美しい、JBLのスタジオモニター「4367WX」。音楽を聴くことも多いため、スタジオモニターのなかでもフラグシップモデルを選びました。
  • センタースピーカーはJBL「4429」。スクリーン裏はヘリンボーンの壁紙で仕上げられており、ヴィンテージライクなJBLスピーカーともマッチしています。「音楽も聴く時にくつろげるように内装にもこだわりました」と田中さん。
  • フロントハイトとしてJBLのコンパクトモニター「4312MⅡ」を壁掛け設置しています。
  • 視聴位置後方。サラウンドバックスピーカーにJBL「4312MⅡ」を壁掛け設置。写真では見えませんが、トップスピーカーとして「Studio 2 8IC」を4基天井に埋め込んでいます。
  • 映像への没入感を高めるため、インジケーターが光るAV機器類はすべて視聴位置後方のマシンセクションに収めています。オーディオを楽しむ田中さんらしく、ラックスマンのプリメインアンプやターンテーブルなども置かれています。
  • シアタールームの手前に前室を設けることで、隣室への音漏れを防いでいます。
  • 前室は大量のソフトコレクションの収納スペースも兼ねているそう。ちなみに写真右側に見えるのはマシンセクションの裏側で、機器類のメンテナンスや入れ替えも容易に行えるようになっています。

内装もドルビーシネマをイメージ

内装にも田中さんのこだわりが満載です。「ドルビーシネマの黒とブルーLEDにインスパイアを受けた」と語るように、天井や後方の壁は黒にして迷光を防ぎつつ、側面の壁は青いクロスで仕上げています。極め付けはスクリーンを上げると現れるヘリンボーン柄の壁紙。温かみのある木材調の色味もスピーカーと相性バッチリです。

こうして完成した夢の映画館は、お子さんにも好評だそうです。「子どもと一緒に観る時はディズニー映画を観ることが多いですね。こけら落としはディズニー映画だったのですが、いままで見えなかったディテールが見えて感動しましたね。それにやっぱり没入感が違います!」と田中さん。

ホームシアターはできた後はもちろん、完成するまで内装や機器、レイアウトを試行錯誤する楽しみもあります。強い思い入れがあるほどにオーナーの色に染まっていく趣味空間。この空間で新しく紡がれる家族の物語に、どんなシーンが積み重なっていくのか楽しみです。

  • ドルビーシネマのブルーLEDにインスパイアされ、照明の色を変えられるようになっています。田中さんイチオシのカラーはもちろん青。
  • タブレットをタッチするだけでホームシアターの機器類をコントロールできます。複数の機器を連動させて動かすマクロ操作まで可能。
  • 照明の調色はオーデリックのスマートフォンアプリ「Connected Lightning for Home LEDライトコントローラー」で行なっています。
  • 田中さんが好きな映画として挙げてくれた作品。右上が初めて買ったDVD『交渉人』、その下が衝撃を受けた映画『セブン』、中央は『フィールド・オブ・ドリームス』。「野球の経験があるからか、野球映画が好きなんですよね」と田中さん。
  • インストールを手がけたダイナミックスカスタマイズの小山信一郎氏。

写真/草野清一郎

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田中邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦+子ども3人 ●ホームシアターの広さ:約12畳 ●画面サイズ:140インチ+43インチサラウンド:7.1.6ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング、かんたん操作 ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:JVC DLA-V7 ●スクリーン:オーエス SEP-140HM-MRK2-WS103 ●液晶テレビ:パナソニック TH-43GX855 ●Ultra HDブルーレイプレーヤー:パナソニック DP-UB9000 ●Ultra HDブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-4CW400 ●フロントスピーカー:JBL 4367WX ●センタースピーカー:JBL 4429 ●サラウンドスピーカー:JBL 4312MⅡ ●サラウンドバックスピーカー:JBL 4312MⅡ ●フロントハイトスピーカー:JBL 4312MⅡ ●トップミドルスピーカー:JBL Studio 2 8IC ●トップリアスピーカー:JBL Studio 2 8IC ●サブウーファー:JBL STUDIO 660P ●防音ドア:大建 アドバンス(A)防音タイプ

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