大画面といえば、プロジェクター。テレビでは実現のハードルが高い100インチ超の大画面も、設置性やコストの両面で現実的な選択肢になります。視野を覆い尽くす映像は、映画館の雰囲気を感じることができます。最近ではワイヤレスで手軽に使用できる5万円クラスのポータブルプロジェクターも普及し、よりメジャーな存在になりました。ここで悩みがちなのは、壁面に投写するか、それとも専用のスクリーン製品を利用するかどうか。そこで、それぞれのメリットとデメリット、ユーザータイプに応じたお薦めを整理してみました。
壁面投写のメリット・デメリット
まず壁面投写の魅力は、コストが掛からないこと。一般的なホワイト系で無地の壁紙なら、まずまず問題のない映像を得ることができます。
デメリットは画質。壁紙には大抵エンボス加工などが施されているので、視聴距離が近いと細かな凹凸が気になることがあります。また、壁面のゆるやかなうねりも、映像が左右にパンするようなシーンで気になりがちです。解像感が薄れ、ピントがぼけたような印象になることもしばしば。ほか、壁紙の幅は90cmが標準となるので、継ぎ目が気になることもあります。また、ホワイトでなく、ベージュであったり、色が乗ってしまっていることもしばしばです。
- 壁投写では、コスト面でのメリットがあるものの、画質面では壁紙によって生まれる凹凸やうねりが影をつくるデメリットも。とくに壁に対して急角度で投写する超短焦点プロジェクターとの組み合わせでは、壁紙は注意したいポイントです。
- 壁紙の種類を選択することが可能であれば、サンゲツの「プロジェクター用壁紙」のような製品を採用してみるのもお薦め。光を拡散し余分な反射を抑え、視野角の広さを考えられているものもあります。
スクリーン投写のメリット・デメリット
専用のスクリーンを使用するメリットは、平滑で継ぎ目のない、真っ白な幕面を得られることです。プロジェクターの映像を鮮明に描写できるのはもちろん、周囲の環境光を抑制することによって、明るく高コントラストに楽しむことができます。室内にモノが多く壁面に充分な空きスペースがない場合も、その前にスクリーンを設置すれば、あっという間に投写準備を完了できます。幕面の種類や設置環境によっては、プロジェクターの明るさを補うこともできます。
- スクリーンにはプロジェクターからの光を拡散し、投写されている映像の全体の明るさを均一にする役割もあるので、複数人での観賞を想定している方にもお薦めです。
デメリットはコストですが、据え置き型のホームシアタープロジェクターとの組み合わせなら、それほど割高感は感じないはずです。メーカーやタイプを選べば、手ごろな製品も見つかります。
なお、プロジェクターの性能はスクリーンあってこそ。画質にこだわってプロジェクターを選ぶなら、スクリーンにもバランスよく予算を配分するのがお薦めです。
- スクリーン選びの基本は、どのような環境で、どのような映像を、どういった画質で楽しみたいのかを考えること。設置性、サイズ、生地の種類など、さまざまな条件を考慮して、最適なアイテムを選んでみましょう。