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レビュー

  • いまこそテレビでホームシアターを!
    サウンドバー大特集PART2
    10万円未満(ミドルクラス)

    VGP 取材・執筆 / 海上 忍
    2020年2月12日更新

    • VGP審査員
      海上 忍

“10万円未満”はネットワーク機能も充実

カジュアルにテレビシアターを楽しめるアイテムであるサウンドバー。第2回目の横並びレビューは、「ミドルクラス編」と題し、10万円未満の価格帯で注目度の高い全5モデルをレビューしました。

5万円未満クラスと比べて音質がワンランク上であることはもちろん、機能性の面でも、現行のサウンドバーで注目すべき機能のひとつが、ネットワーク機能です。ホームネットワークと繋がって、Amazon AlexaやGoogle アシスタントといった音声操作に対応できたり、Spotifyなどの音楽配信サービスが楽しめます。また、アプリを使って他のワイヤレススピーカーと連携してマルチルーム再生を実現できたりするモデルもあります。米国のヒットブランドであるSONOS(ソノス)では、「Sonos Playbar」やスタンダードクラスでご紹介した「Sonos Beam」などが、このタイプに当てはまります。

動画コンテンツの音を臨場感あふれるサウンドで楽しめるだけではない、ネットワーク機能を活用することでライフスタイルを豊かにしてくれる、ミドルクラス編のサウンドバーに注目してください。

  • ミドルクラス編のサウンドバーのいくつかは音声操作を実現しています。たとえばテレビのON/OFFや音量調整、あるいはSpotifyでお気に入りのプレイリストを呼び出すなどの操作が、リモコンいらずで可能。いちはやくトレンドを追いかけるなら、音声操作の可否も注目ポイントのひとつになるでしょう。

次回はこちら>>>サウンドバー大特集PART3「10万円超」

前回はこちら>>>サウンドバー大特集PART1「5万円未満」

HISENSE「HS512」〜パワーに余裕が漲る!

  • HISENSE
    「HS512」
    ¥OPEN(実勢価格¥55,000前後)

価格からはとても想像できないほどの圧倒的スペックを誇る、物量投入型サウンドバー。51mmフルレンジ8基、20mmトゥイーター2基により5.1.2ch再生を実現、サラウンドフォーマットはドルビーアトモスとDTS:Xまでサポートします。サウンドバー部の実用最大出力はなんと200W、同梱のワイヤレスサブウーファーも180Wという余裕ぶりです。映画『ダンケルク』の銃撃シーンは重低音で大迫力。しかし量感はやや多めなので好みで低域のボリュームを調整すると良いでしょう。パワー重視のユーザーにお薦めです。

  • 「HS512」の音質傾向
  • Wi-Fi -
    Bluetooth ○
    HDMI ○
    音声操作 -
    ドルビーアトモス ○
    DTS:X ○

DENON「DHT-S516H」〜オーディオとしても高品位

  • DENON
    「DHT-S516H」
    ¥OPEN(実勢価格¥76,500前後)

デノン独自のネットワークモジュール「HEOS(ヒオス)」を核とした製品。3Dサラウンドこそ非対応ですが、HDMIは出力×1(ARC)と入力×1(4K/HDRパススルー)、別筐体サブウーファーによる迫力の重低音、フロントスピーカーだけで広がりを再現する「デノン・バーチャル・サラウンド」など機能は充実。広がりを創出しつつも整然とした音の輪郭で映画もライブもソツなくこなします。白眉は音楽再生、PCM192kHz/24bit、DSD5.6MHzハイレゾ再生も対応しています。さらりと描くハイレゾ音源の高域はサウンドバーの枠を超えており、音楽好きにもお薦めです。

  • 「DHT-S516H」の音質傾向
  • Wi-Fi ○
    Bluetooth ○
    HDMI ○
    音声操作 ○
    ドルビーアトモス -
    DTS Virtual:X -

SONY「HT-Z9F」〜ハイレゾから3Dサウンドまで網羅!

  • SONY
    「HT-Z9F」
    ¥OPEN(実勢価格¥ 80,000前後)

幅100cm・高さ6.4cmという細長ボディに46mmフルレンジウーファーを左右に各1基、中央に1基を搭載、別筐体の160mm口径のサブウーファーを加えた3.1ch構成ですが、ドルビーアトモスとDTS:Xに対応。ソニー独自の「バーティカルサラウンドエンジン」により音の高さ方向まで表現できます。別売の専用リアスピーカーを導入すれば、リアル5.1chシステムも構築可能です。音楽再生はスマホと繋いでBluetoothというカジュアルなスタイルから、本格的なハイレゾ再生にまで対応できます。『ダンケルク』は高さ方向の表現が鮮明で、迫り来る戦闘機がリアル。『ボヘミアン・ラプソディ』は確かな音場表現によるステージの広さが印象的。機能満載の1台です。

  • 「HT-Z9F」の音質傾向
  • Wi-Fi ○
    Bluetooth ○
    HDMI ○
    音声操作 ○
    ドルビーアトモス ○
    DTS:X ○

SONOS「PLAYBAR」〜高い拡張性とパワフルサウンドを兼備!

  • SONOS
    「Sonos Playbar」
    ¥81,800(税抜)

バーというよりティンバー(木材)という風情のデザインですが、「パワー」が違います。テレビとの接続は光デジタル、デジタルアンプ一体型スピーカードライバーはミッドレンジ×9、トゥイーター×3の計9基が用意されるという、高音質にこだわり抜いたスピーカー構成も見逃せません。一方、専用アプリを使えば音楽ストリーミングも楽しめるだけでなく、ワイヤレスでサブウーファー(別売)を繋ぐ、そしてワイヤレススピーカーと連携してマルチルーム再生も実現できるなど、屈指の拡張性の高さを備えます。設置は横置きのほか、壁掛けも選択可能。とにかく音はパワフルで『ダンケルク』の爆撃シーンでは圧倒されるばかり。『ボヘミアン・ラプソディ』は広い音場を描きつつ、量感で押す印象です。スマートな使い勝手で映画の音はとにかく迫力重視、という方にお薦めです。

  • 「Sonos Playbar」の音質傾向
  • Wi-Fi ○
    Bluetooth -
    HDMI -
    音声操作 -
    ドルビーアトモス -
    DTS Virtual:X -

BOSE「BOSE SOUNDBAR 700」〜ボーズ独自の音響技術

  • BOSE
    「BOSE SOUNDBAR 700」
    ¥96,000(税抜)

シンプルな外観に覆われた先端技術の塊。楕円形振動板を備えたフルレンジユニットを左右に各2基、中央にトゥイーター1基を搭載しており、両端には「PhaseGuide」と呼ばれる立体音響ユニットを配置しています。室内の壁や天井にビームを出力することで、サラウンド効果を創出します。さらに独自の自動音場補正「ADAPTiQ」を用意、サラウンド効果の最適化を図ります。映画『ダンケルク』の街中で銃撃を受けるシーンでは、銃弾が飛び交う方向もわかりやすく再現しています。GoogleアシスタントおよびAmazon Alexaといった音声操作への対応、別売のサブウーファーやリアスピーカーサラウンドで効果を高められることもポイントです。

  • 「BOSE SOUNDBAR 700」の音質傾向
  • Wi-Fi ○
    Bluetooth ○
    HDMI ○
    音声操作 ○
    ドルビーアトモス -
    DTS Virtual:X -

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・いまこそテレビでホームシアターを! サウンドバー大特集PART1 5万円未満(スタンダードクラス)

・いまこそテレビでホームシアターを! サウンドバー大特集PART2 10万円未満(ミドルクラス)

・いまこそテレビでホームシアターを! サウンドバー大特集PART3 10万円超(ハイグレードクラス)

SPEC

HISENSE「HS512
<総合>●スピーカー構造:5.1.2ch <サウンドバー>●ユニット構成:20mmトゥイーター×2、50.8mmフルレンジウーファー×8 ●実用最大出力:200W ●接続端子:HDMI入力×2、HDMI出力×1(ARC)、光デジタル音声入力×1、同軸デジタル音声入力×1、アナログ音声入力×1 ●外形寸法:1200W×73H×110Dmm ●質量:4kg <サブウーファー>●ユニット構成:203.2mmウーファー×1 ●実用最大出力:180W ●外形寸法:240W×420H×240Dmm ●質量:5.25kg

DENON「DHT-S516H
<総合>●スピーカー構造:2.1ch <サウンドバー>●ユニット構成:16mmトゥイーター×2、51mm×127mmミッド×2 ●実用最大出力:非公開 ●接続端子:HDMI入力×1、HDMI出力×1(ARC)、光デジタル音声入力×1、同軸デジタル音声入力×1、アナログ音声入力×1 ●外形寸法:1018W×86H×104Dmm ●質量:3.1kg <サブウーファー>●ユニット構成:130mmウーファー×2 ●実用最大出力:非公開 ●外形寸法:172W×311H×332Dmm ●質量:6.6kg

SONY「HT-Z9F
<総合>●スピーカー構造:3.1ch
<サウンドバー>●ユニット構成:46mmウーファー×3 ●接続端子:HDMI入力×2、HDMI出力×1(ARC対応)、光デジタル音声入力×1、アナログ音声入力×1、イーサネット×1、USB入力×1 ●外形寸法:1000Wx64Hx98Dmm ●質量:3.1kg
<サブウーファー>●ユニット構成:160mmサブウーファー×1 ●実用最大出力:100W ●外形寸法:190Wx382Hx386D ●質量:8.1kg

SONOS「Sonos Playbar
<サウンドバー>●スピーカー構造:3.1ch
●ユニット構成:46mmウーファー×3 ●実用最大出力: ●接続端子:光デジタル音声入力×1、イーサネットポート×1 ●外形寸法:900mmW×85mmH×140Dmm ●質量:5.4 kg

BOSE「BOSE SOUNDBAR 700
<サウンドバー>●スピーカー構造:非公開 ●ユニット構成:トゥイーター×1、フルレンジ×4、PhaseGuide×2 ●実用最大出力:非公開 ● 接続端子:HDMI出力×1(ARC/eARC)、光デジタル音声入力×1 ●外形寸法:978W×57.2H×108Dmm ●質量:4.76kg