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実例

  • リビングシアターCASE16
    吹き抜けのリビングでリラックスできるシアター
    インストーラーと理想的な手法で作った

    取材・執筆 / 井田有一(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2021年3月10日更新

こだわりが結集した二世帯住宅

近年、住宅スペックの向上も手伝って、世代を越えて長く住める家づくりに注目が集まっています。ここS邸もまた、孫の世代まで住める住宅をつくろうと、オーナーのこだわりが結集した二世帯住宅です。リビングには高い吹き抜けがあり、窓からは柔らかい陽光が注ぎ込みます。明るく開放的な空間です。ホームシアターはその中心にあり、まさに「空間の顔」と呼べる存在感を放っています。
「私は音楽も映画も好きで、リラックスできるホームシアターは最初から計画に入れていました。以前はボーズのシステムを中心に使っていましたが、今回新規で設備化してもらいたく、どう進めたらよいかわからずマックスオーディオさんに相談しました」と、施主のSさん。

  • 取材日は2月上旬。広さは約21畳もあり、高い吹き抜けも印象的なSさん自慢のリビングシアターです。リビングは天井が高く実に開放的!多くの人が集まる場所だからと広さにもこだわり、リビング部だけで約21畳もある大空間です。

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140インチで4K映像を楽しめるシステム

担当したのはバンドマンでもある気鋭のインストーラー大原由奨氏です。Sさんとは音楽の話で打ち解け、また打ち合わせ時に設計図を持参してもらったこともあり、話はトントン拍子に進んでいきました。家族で観たいから画面サイズは大きい方がいい。そのため場所はレイアウト的に有利なリビングと決まりました。スクリーンは設置できる最大サイズの140インチ。プロジェクターは画質を重視したモデルを大原氏が厳選し、Sさんが店舗で実際に比較視聴してJVC「DLA-V7」に決めました。スピーカーも好きな音楽ジャンルとの相性を大切にし、何本か試聴した中からBowers&Wilkins(B&W)「702 S2」を選択し、フロントスピーカーに据えました。サラウンドスピーカーは生活動線を考慮して天井に埋め込むなど、クオリティは確保しつつも機能性は損ねないインストールです。

  • プロジェクターはJVCのネイティブ4Kモデル「DLA-V7」をチョイス。これまでテレビで倍速駆動をONにした滑らかな映像に親しんできたこともあり、高画質と倍速機能の優秀な本機を大原氏がレコメンド。店舗で実際に映像を確認して導入したこだわりの品です。
  • Sさんが聴く音楽ジャンルはポピュラーミュージックやロック、ジャズなど幅広い。そのためスピーカーも様々なモデルを比較試聴して決めていきました。「特にボーカル再生や高音が美しく出ることに注目してB&Wの『702 S2』にしました」。(Sさん)
  • 石材のテクスチャーが上質さを演出する壁面にテレビを設置。スクリーンはその前に降りてくるように調整しています。
  • 機材を収納するAVボードは特注品。Sさんと仕事上の付き合いがある牛浜産業に依頼し、機器のサイズにあわせてピタリと収まるようにデザインしてもらいました。Sさんはヤマハのスピーカーを使っていた経緯もあり、ヤマハ特約店のマックスオーディオを訪ねたといいます。そのためAVアンプは事前に想定していたヤマハから「RX-A3080」を選びました。
  • サラウンド/サラウンドバックスピーカーはMonitor Audioの「CS140」を埋め込み、生活動線を確保しました。

二人三脚でつくる工程も楽しむ

竣工は昨年末。こけら落としの作品を伺うと、音楽と映画の両方が楽しみたいと『ボヘミアン・ラプソディ』と決めていたといいます。もともとホームシアターをお持ちだったこともあってS邸のスクリーン使用率は高く、映画に音楽に環境映像など、様々なコンテンツを家族が思い思いに楽しんでいます。
「低音の迫力もすごく、期待以上のサウンドに驚きました」と、Sさんは微笑みます。その素敵な笑顔を見て胸を撫で下ろす大原氏の姿は取材のハイライトと呼べる光景でした。信頼を寄せるSさん、その期待に全力で応えた大原氏。そうした施主とインストーラーの強力なタッグがあったからこそ、家族のライフスタイルにピタリと寄り添うホームシアターになったのだとわかった瞬間でした。「おまかせ」ではなく「つくる過程も楽しむ」ホームシアターづくり。まさに理想的な手法です。

  • ソファなど、インテリアはタイムレスなデザインで人気の日本ブランド「Ritzwell」を中心にコーディネートするなど、Sさんのセンスのよさが伺える空間です。
  • キッチンの天井にもスピーカーを埋め込み、AVアンプのゾーン配信機能を使って音楽配信をしています。「妻が水仕事をする際など、テレビの音が聞こえにくいときにはテレビの音も流しています」と、Sさん。
  • 映画もご覧になるのですが音楽ライブを観る機会も多いといいます。フェイバリットはキャロル・キングの『A MusiCares Tribute To Carole King』。
  • 以前の家で使用していた機材は別室の書斎に設置しています。書斎から続くウッドデッキにはアウトドアスピーカーを用意するなど、家中で音楽を楽しめるようにしています。
  • インストールを手がけたマックスオーディオ小倉本店の大原由奨氏。

写真/草野清一郎

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S邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:二世帯 ●ホームシアターの広さ:約21畳 ●画面サイズ:140インチ+65インチ ●サラウンド:7.1ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング、造作家具アドバイス ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:JVC DLA-V7 ●スクリーン:キクチ 特注電動140インチ(ホワイトマットアドバンス) ●液晶テレビ:ソニー KJ-65X9500G ●Ultra HDブルーレイレコーダー:ソニー BDZ-FBT4000 ●AVアンプ:ヤマハ RX-A3080 ●フロントスピーカー:B&W 702 S2 ●センタースピーカー:B&W HTM71 S2 ●サラウンドスピーカー:Monitor Audio CS140 ●サラウンドバックスピーカー:Monitor Audio CS140 ●サブウーファー:B&W ASW610 ●キッチン用スピーカー:Monitor Audio CS140

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