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実例

  • リビングシアターCASE17
    個性的な建築物を大画面シアターに
    人が集まる空間にしたいから機器はできる限りビルトイン

    取材・執筆 / 平野勇樹(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2021年5月12日更新

「大画面」が欠かせないみんなで過ごすリノベ空間

あまり一般住宅には見られない、大きなアーチを描く壁面と、およそ30畳はあろうかという広大なスペース。デザイナーズホテルや美術館のように、ホワイトを基調にした静謐な空間。ここが、今回ご紹介する映画館のある家の舞台です。「かつて歯科技工所だった個性的な建築物の骨組みを活かしながら、人が集まるスペースに生まれ変わらせる」というワクワクするようなコンセプトからスタートしたS邸のリノベーション。非日常を演出しながら豊かなコミュニケーションを育む、遊び心と驚きのある住まいを追求するなかで「大画面」が欠かせないピースになったといいます。家族で映画やゲームを楽しむだけでなく、ヨガ教室やセミナーを開くのにも、大画面の映像は欠かせません。そこでこのプロジェクトを手がけるタニワ建築設計の谷和司朗氏は、構想段階からAV Kansai代表の岩元秀明氏とのタッグで、他のどこにもない空間をデザインしていきました。

  • モノトーンで静的なインテリアと、大胆なアーチを描く壁面のコントラストが凛とした緊張感を生む、アートを感じさせる大空間。その中心に大画面スクリーンが鎮座しています。
  • スクリーンの反対側はダイニングのように使えるスペースになっており、下の写真のとおり、実はキッチンが扉の向こうに隠れています。家族と過ごしたり、ゲストをもてなしたりする機能も備えています。イタリアのKartellのスツールや、モダンなシャンデリアなど、洗練されたインテリアも印象的です。

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骨組みを生かした一切ムダのない機器収納

まず、驚かされるのは、床に機材やケーブルがまったくないということです。お子さんが集まったり、エクササイズを行ったりする空間だから、機器はできるだけ収納してしまいたい。そこでディスプレイからプロジェクター、スピーカー、各種コンポーネントまで、あらゆるオーディオビジュアル機器を住宅にビルトイン。柱や梁を活かしながら、一切のムダなく、機器が極めて合理的に収納されています。

  • LG ELECTRONICSの4K/HDR対応の65インチ液晶テレビを、子どもの手が届かない位置にウォールマウントにして設置。その前にオーエス製の大画面スクリーンがするするとおりてくる2WAYシアター構成。
  • スクリーンは天井に収納されており、普段は存在を感じさせません。埋め込みスピーカーは指向性の広いUniQドライバーを搭載した、KEFのCiシリーズを選択しています。音質にも妥協していないところがインストーラーらしい配慮。
  • 完全に遮光ができないリビング環境でも使いやすい高輝度設計となっている、JVCの4Kプロジェクター「LX-UH1」をチョイス。コンパクトかつお求めやすい価格ながら、JVC伝統のシネマ高画質を踏襲する実力機です。梁をうまく生かして設置しています。
  • テレビを壁掛けにしている造作は収納スペースにもなっていて、側面から扉(カギも付いている!)を開けると、レコーダーやAVアンプなどの各種コンポーネントが収納されています。とっても合理的!

家じゅうで音楽を楽しめるホームネットワークを導入

また、岩元氏は家じゅうを心地よい音楽で満たすことができるようにホームネットワークの仕組みも導入しています。いつもスマホで聴いている音楽を、エントランスやデッキ、バスルームでも楽しむことができます。シンプルながら、できることは無限大に広がっています。
「この映画館のある家をアネックスと呼んで、家族や友人、ゲストと過ごすセカンドハウスにしています。ここで実現してみたいことのイメージが次から次に沸いてきて、最初に思い描いていたよりもずっと、ここで過ごす時間が増えていますよ」と笑顔で取材に応えてくださったSさんご一家。おうち時間を楽しく、かつクリエイティブなものにしてくれる、完成度の高いホームシアターは、毎日の暮らしに彩りとインスピレーションを与えてくれます。

  • エントランスに埋め込みスピーカーを配置。ホームシアターだけでなく、家じゅうで心地よく音楽が楽しめる環境も整えています。
  • 2020年2月某日、取材にご対応いただいたSさんご一家。
  • 写真左から、プロジェクトを手がけたタニワ建築設計の谷和司朗氏、インストールを手がけたAV Kansai大阪・堺店の岩元秀明氏。

写真/大野博

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S邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/リフォーム ●家族構成:夫婦+子ども ●ホームシアターの広さ:約30畳 ●画面サイズ:120インチ+65インチ ●サラウンド:5.0ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング、ホームネットワーク、音楽配信、家具アドバイスほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:JVC LX-UH1 ●スクリーン:オーエス SEC-120HM-R2 ●液晶テレビ:LG ELECTRONICS 65UK6500EJD ●ブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-BG2050 ●AVアンプ:デノン AVR-X2600H ●フロントスピーカー:KEF Ci160QR ●センタースピーカー:KEF Ci160QR ●リアスピーカー:KEF Ci160QR

INSTALL SHOP
AV Kansai大阪・堺店
〒590-0940
大阪府堺市堺区車之町西3-1-1
TEL:072-228-7771
https://www.avkansai.co.jp/