CONTENTS
・総合ブランドならではの高いバランス力
・スムーズな設置性とジャンルを超えた機能性
・落ち着きのある色再現でナチュラルトーン
・リビングに導入してテレビ感覚で使いたくなる
・SPEC
総合ブランドならではの高いバランス力
今や最先端のエレクトロニクス機器の発信地として注目を集める中国・深センで、2015年に誕生したスマート家電ブランドの「VAVA」。そのVAVAから誕生した4K/HDR対応の超短焦点プロジェクターが「VA-LT002」です。プロジェクターの画質だけでなく、設置性から使い勝手、そして価格設定においてまで、バランス感覚に優れた製品作りは、プロジェクター専門ではなく幅広いジャンルの製品開発に取り組んでいるブランドならではの特長です。
- プロジェクター
VAVA
「VA-LT002」
¥OPEN(実勢価格¥300,000前後)
- VAVAから登場した4K/HDR対応の超短焦点プロジェクターは、ホワイトだけでなくブラックモデルも追加。インテリアマッチをさらに高めたカラーバリエーションをラインアップしています。
- リモコンもホワイトモデルとブラックモデルで分かれており、プロジェクター本体と統一感を高めた製品作りが施されています。
4K映像出力ができる超短焦点プロジェクターは、まだまだ高級価格のモデルが多いですが、そのなかでもVA-LT002はコストパフォーマンスが高いモデルです。そしてわずか壁際18cmという投写距離で100インチ大画面を実現できるという他社の超短焦点プロジェクターと比較してもいっそう壁に近い位置に設置できることも大きな特長で、最大150インチの投写まで可能です。先進的な「ALPD 3.0テクノロジー」によるレーザー光源とDLP技術を採用し、2,500ルーメンという明るい映像も魅力のひとつ。さらに世界屈指のオーディオブランドとして知られる「Harman Kardon」が監修したスピーカーを搭載するほど格段に音質を追求しています。Wi-Fi、Bluetoothといったワイヤレス機能も備えており、いろいろな使い方できるスマートさも見逃せません。
今回、VA-LT002を実際に使用し、設置から機能、そして画質&音質をチェックしていきます。
- 壁際からの投写距離、8.5cmで80インチ、18.2cmで100インチ、27.9cmで120インチ、そして42.4cmで最大150インチの投影が可能です。
- 映像方式にはTexas Instruments社製のDLP、Appotronics社製のレーザー光源技術「ALPD 3.0テクノロジー」の両方を採用したことで、4K解像度と高輝度な映像を実現しています。
- Harman Kardonが音質チューニングを施した30Wの高音質スピーカーを2基搭載。プロジェクター1台で高画質と高音質を両立いています.
スムーズな設置性とジャンルを超えた機能性
本機は、同等性能を持つ製品と比較してもコンパクト、かつ様々な技術や機能がひとつの筐体に凝縮された印象です。マットな質感のボディに、スピーカーグリル部はファブリック素材が採用されているため、インテリアに馴染みやすいです。置いてみると、すっきりとしたシンプルな佇まいは、スマートさと洗練度の高さを感じさせてくれます。本機が持つ画質を最大限に引き出すには、基本的な設置が大変重要です。超短焦点プロジェクターは、映し出した際の映像の台形歪みが気になりますが、左右にネジ式脚があり、それで画面の前後の傾きを整えることができます。ピント合わせは電動式で、視聴位置からパターン全体を俯瞰して調整できるため使いやすいです。
- 今回、100インチ~110インチ程度の映像を投写しました。が、壁からの距離がひじょうに短く、その距離を実際に目の当たりにすると大変驚きます。電源をオンにすると、初期の設置ですべきことを順番に教えてくれます。
- 本体の左右にあるネジ式脚の高さを調整することで、投写されている映像の台形歪みを抑えていきます。投写画面を見ながら左右同時に操作できるため、調整もとても簡単です。
- 映像パターンを表示させて、画面のピントを合わせていきます。電動で調整できるため、投写映像を確認しながらリモコンでピントを合わせていくことができます。この価格帯の製品では、とても贅沢な機能です。
基本機能も充実しており、4K/HDR、HDCP2.2に対応したHDMI端子を3基搭載しており、そのうちのひとつはARC機能に対応しているため、例えば同じくARC対応のサウンドバーと組み合わせて使えば、HDMIケーブル1本で繋いで音声を出力できます。同時に光デジタル音声出力も搭載しているため、サウンドバーだけでなくアクティブスピーカーなどとも接続できるのも特長のひとつです。また、先述したとおりネットワーク機能が豊富なため、Wi-Fiを活用すればNASにある写真や動画などの再生、Bluetoothを活用すればVA-LT002をワイヤレススピーカーとして使えたり、またプロジェクターの音をBluetoothヘッドホンから出力することでも可能です。さらにスマートフォンと繋いでミラーリングできたり、実用的な機能が盛り沢山です。
- 充分な接続端子を備えているところも本機の魅力。全3つのHDMI端子は、4K/HDR、HDCP2.2に対応し、さらに入力3はARC機能も採用。USB、有線LAN、光デジタル音声、ステレオミニなど、多数の接続端子を装備しています。
- 写真は、VA-LT002のGUI。「ファイルマネージャー」では、本体メモリーに保存した写真や動画、同じネットワーク環境にあるNASやレコーダー内のコンテンツ、接続されたUSBメモリー内のコンテンツをプロジェクターで楽しめます。「App Store」で関連アプリをダウンロードすれば、スムーズにコンテンツを再生できます。
- 「マルチスクリーン」を使えば、スマートフォンの画面をミラーリングすることができるため、スマホ内の写真や動画などをプロジェクターで出力することができます。
- LA-VT002のBluetooth機能は、「出力」と「入力」の両方を備えているため、「出力」にすればプロジェクターで再生しているコンテンツの音をBluetoothヘッドホンで再生でき、「入力」に切り替えればVA-LT002をBluetoothスピーカーとして楽しむことができるなど、プロジェクターの域を超えた機能性も注目です。
落ち着きのある色再現でナチュラルトーン
VA-LT002は画質も大変良好です。ALPD 3.0 テクノロジーは、映画館でも導入実績が多い、明るさと耐久性を両立したレーザー技術を核とし、光源は25,000時間と長寿命。つまり、ランプ交換のようなランニングコストが掛からず、画質面で最も大切な「明るさ」が長く持続できます。
画質面では、まずレーザー光源タイプのプロジェクターで気になりがちなスペックル(キラキラとした粒状ノイズ)が感じられないのが立派です。落ち着きを感じる色再現も、旧来のランプ光源に通じるものがあり、また制作者の意図に忠実でナチュラルなトーンも好印象。総じて映像のルックは、高級機の映像に引けを取らない完成度です。4Kの精細感はもちろん、明るい映像によってHDRならではのダイナミックな輝度感も楽しむことができます。
スピーカーの音質も充実しており、サウンドバーのようにスピーカーにもしっかりとスペースが割かれ、Harman Kardonのチューニングによる明瞭なサウンドは、映画のセリフ、テレビのアナウンス、音楽の躍動感が伝わってきます。
- 画質調整では、「標準」「映画」「PC」「カラフル」「スポーツ」「カスタム」の映像モードを搭載しており、今回の取材では映画モードを中心に画質チェックを行いました。HDRコンテンツを表示する際は、「HDMI 2.0」の項目をオンにしておきましょう。
- 音質調整は、「オーディオエフェクト」から「標準」「シアター」「ニュース」の3つのモードを選べます。クオリティチェックの際は、ダイナミックなサウンドを楽しめるシアターモードに設定しました。
リビングに導入してテレビ感覚で使いたくなる
今回、本製品に触れて感じた魅力は、高度なレーザー技術を用いた映像美だけでなく、高輝度、長寿命、小型化などのユーザーベネフィットを実現できている点、そして高音質スピーカーも一体化できているため、本機のみで手軽に高品位な大画面シアターが体感できる点です。
VA-LT002は、Apple TV 4KやFire TV Stick 4Kなどのストリーミング端末、さらにBDレコーダーなど組み合わせて、テレビ感覚で100インチ超えの大画面を楽しみたくなるモデル。プロジェクター初心者から、インテリアマッチに適したリビングシアターを組みたい方に、ぜひお薦めしたいプロジェクターです。
- 100インチ超えの4K/HDR大画面を手軽に、かつ本格派も満足できるクオリティと機能性で楽しめるのがVA-LT002ならではの魅力です。
SPEC
[VA-LT002]
●投写形式:DLP ●投写デバイス:DMD ●表示解像度:3840×2160 ●光源:レーザー ●投写サイズ:最大150型 ●明るさ:2,500lm ●内蔵スピーカー出力:30W+30W ●消費電力(待機時):360W(0.5W) ●主な入出力端子:HDMI入力×3、光デジタル音声出力×1、ステレオミニ×1、USB×1、LAN×1 他 ●ワイヤレス機能:Bluetooth Ver 4.2、Wi-Fi(802.11ac) ●外形寸法:533W×107H×368Dmm ●質量:約10.6kg
協力/SUNVALLEY JAPAN