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レビュー

  • KEF「KC62」「LS50 Meta」「R5」 最先端の音響テクノロジーを結集した
    傑作KEFスピーカー
    VGP2021夏、金賞を獲得した3つのアイテム

    取材・執筆 / 林正儀/生形三郎/大橋伸太郎
    2021年6月25日更新

    • VGP審査委員長
      大橋 伸太郎

    • VGP審査員
      林 正儀

    • VGP審査員
      生形三郎

小さなボディに低域再生技術を総動員したサブウーファー「KC62」

  • サブウーファー
    「KC62」
    ¥187,000(税込)
  • 「VGP」で審査員を務める大橋伸太郎氏が、サブウーファー「KC62」の魅力を語ります!

KEFはサブウーファーのイノベーションを先導してきたブランドのひとつ。近年はホームシアターのLFEに止まらない、低域再生の可能性に挑んできました。現在はサブウーファー7機種をラインアップしていますが、上位機種の「REFERENCE 8b」や「KF92」で2基のアンプが駆動する2つのユニットを背中合わせに対向配置して、不要な振動をキャンセルするフォースキャンセリングシステムをいちはやく採用しています。

そんなKEFの次なる挑戦はダウンサイジングでした。このシステムをわずか約25センチ四方、従来モデルKF92との容積比63%という小さなエンクロージャーに収めることに成功。驚くほどに高効率・高性能なサブウーファー「KC62」が誕生しました。その実現の鍵が「Uni-Coreテクノロジー」です。2基のドライバーユニットのボイスコイルを同心円状に重なり合うように配置し、モーションストロークを確保しつつ、スペースセービング性を両立させる機構です。他にも、日本の折り紙がヒントのプリーツ状エッジで振動板の分割振動を減少した「P-Flexドライバーエッジ」、歪みを75%減少したアクティブ駆動のディストーション・コントロール・テクノロジーなど、筐体こそ小さいですが、同社低域再生技術を総動員した傑作といえます。

そして背面にはMANUAL/LFE切り替えスイッチを持ち、他のサブウーファー同様にホームシアターのLFEとステレオ音楽再生両方に対応。上位機種で実績のあるIntegrity EngineおよびiBX(Intelligent Bass Extention)を採用。入力信号をDSPで分析して、設置環境に応じて音圧や帯域を出力するルーム配置イコライゼーション機能(フリースペース、壁側、コーナー、キャビネット内、集合住宅モードが切り換えられる)は、エンドユーザーの実使用をつねに視野に入れるKEFらしい機能です。ホームシアターの場合、本機のコンパクトネスを活かして2台接続することも有効。安定感のあるシンメトリカルな低域再生で、ワンランク上の立体音場が実現できます。

さらにKC62は「LS50 WirelessII」のようなコンパクトなワイヤレススピーカーとの組み合わせにも最適です。LS50 WirelessIIにはサブウーファー出力があり、ストリーミング配信サービスも迫力あるサウンドで楽しめるようになります。ステレオ音楽ソースを楽しむのにもいいです。ホームシアターからリビングオーディオまで。ライフスタイルへの省察に裏付けられた、用途提案のユニークさと盛り込まれた技術の密度が高く評価され、VGPアワードのピュアオーディオ部会で特別大賞と部門金賞を授与しています。

  • 背中合わせとなる2つのドライバーを組み合わせて1つのマグネットで駆動する「フォースキャンセリング」技術を採用。2つの異なる径のボイスコイルを重なりあうように同心円状に配置した「Uni-Coreデュアル・ドライバー」で小型・高効率で駆動、折りたたみ構造を持つ「P-Flexドライバーエッジ」によって深いストロークで雄大なサウンドを実現。さらに2つのボイスコイルにはジャイロセンサーと集音マイクが搭載されていて、リアルタイムで内蔵DSPによって歪みを抑える「スマート・ディストーション・コントロール」で、質の高い重低音を提供します。

<インストーラーの推しポイント>

「見た目よりも厚みある低域を実現できるサブウーファー。映画ではアタック音の速さ、音楽ではグルーヴ感をアップさせてくれます。設置性に優れていて、12畳以下の空間での利用であれば、これ1台でバランスよく利用できると思います。」

  • バドシーン
    並木勇一さん

新技術MATを搭載したブックシェルフ「LS50 Meta」

  • ブックシェルフ型スピーカー
    「LS50 Meta」
    ¥159,500(税込/ペア)
  • 「VGP」で審査員を務める生形三郎氏が、スピーカーシステム「LS50 Meta」の魅力を語ります!

「LS50 Meta」は、KEFのベストセラーのひとつ、ブックシェルフ型スピーカー「LS50」の最新モデル。トゥイーターからの背圧によるノイズを99%吸収するという世界初の新技術「MAT」や、それに伴う第12世代Uni-Q同軸ドライバーの最適化、さらには、ネジ穴等を一切排したフラットな背面パネルへ刷新するなどのアップグレードが施されています。とりわけ、中域から中高域再現にかけて低歪み化が進んだことによって、既に高い完成度を誇っていたLS50のポテンシャルに、より一層の磨きがかけられました。

そんな、本機のコアとなっているMATは、香港のAcoustic Metamaterials Group(AMG)と共同開発した「Metamaterial Absorption Technology」と呼ばれる技術です。LS50 Metaでは、まるで迷路のように構成された、深さ11mmで30種類の長さを持つ「回路(溝)」の集合体によって、トゥイーター背圧で生じた600Hz以上の音響エネルギーの約99%を吸収する仕組みとなっています。他社製スピーカーでは、背圧への対処は消音チューブなどロード構造を使い大きなスペースを用いて実現するのが一般的ですが、MATでは薄型で非常に省スペースな構造体によってそれを実現していることが特長です。

実際にLS50 MetaとLS50を比較試聴してみると、ボーカル帯域の生々しさの表現や切れ味のよさに、一層の訴求力が引き出されていることに驚かされました。もともとLS50の時点でも、徹底的なコンピューター解析やチューニングに基づく筐体設計や独自のUni-Qドライバーによって、驚くほどフラットな帯域バランスと卓越した点音源再生能力を備えていました。そこから、さらになめらかでリアリティに富んだ音楽表現力を獲得できています。歌声のディテールは一層細やかかつ自然体で、ピアノやギターなどの音色も、明瞭ながら硬さや粗さを排した、上質な再現性を獲得しています。加えて、それら向上効果によって、低音領域の明瞭度も増していることが特筆に値します。中でもやはり、明瞭で澄んだボーカル再生の上質な聴き心地は、まさに絶品といえるでしょう。コンパクトさを求めながらも、ワイドレンジで上質な音楽再生を楽しみたい方にうってつけのモデルです。

  • 第12世代のUni-Qドライバーに、新たに開発した「MAT(Metamaterial Absorption Technology)」を掛け合わせた、最先端のブックシェルフスピーカー。この技術は、ドライバーの裏側に迷路のように複雑に入り組んだパーツを配置することで、とりわけ高音域の音の歪みを抑えるというもの。ピュアで自然なサウンドの獲得に大きく寄与しています。

<インストーラーの推しポイント>

「KEFは常に新しい音響技術に果敢に挑戦していて好感が持てるブランドです。本機も新技術『MAT』の効果で、音離れがよく、演奏が立体的に感じられます。コスパがいいという言葉だけで片付けたくない本格派。上質なデザインで女性のお客様からも好評です。」

  • マックスオーディオ
    大原由奨さん

ロングセラーのフロア型モデル「R5」

  • フロア型スピーカー
    「R5」
    ¥418,000(税込/ペア)
  • 「VGP」で審査員を務める林正儀氏が、スピーカーシステム「R5」の魅力を語ります!

2018年当時、従来モデルから約7年かけて刷新されたKEFの定番「Rシリーズ」。心臓部となる同軸ドライバーユニットを第12世代Uni-Qとしただけでなく、ネットワーク回路やエンクロージャーの隅々まで、1000項目を越える改善、変更内容を盛り込んだ、という触れ込みに当時驚かされたものですが、主力となるフロア型スピーカー「R5」は、この2021年の夏も絶大な支持を集めて、金賞の栄誉に輝きました。

R5は洗練されたスリムなスタイリングながら、上下をウーファーで挟んだ構成となっていて、KEFのめざす精密な音場を追求しています。そして目を引くのは、Uni-Qの周囲に設けられた「シャドウ・フレア」と呼ばれるリング。流れるように気流がスムーズになり、キャビネットによる回折現象を抑えてくれる効果があります。ドライバーのコーンの色、リングにフットまで含めて見事ワントーンに統一されていて美しくインテリアにも馴染みやすいです。ちなみにRシリーズは、センタースピーカーやドルビーイネーブルドスピーカーもラインアップされているのでサラウンドを組みやすく、ホームシアターユーザーにも最適です。

R5でのステレオ再生は50kHzまで思いきりレンジの伸びた爽やかなサウンドです。中音域がなめらかで声がよく通り、ニュアンスがキメ細かい。さらに、ギターやピアノなどを聴くとそのタッチや質感を見事に出していて、濁りや色づけのない、実に自然な響きであることがわかります。ダブルウーファーは低音のキレがよく、ハイスピードで躍動的です。定位鮮明、音像明快。プレーヤーの動きまで見えるようで、どんな音楽もリアルに楽しめます。Rシリーズで揃えた5.1chサラウンドでは、音の軌道や音色、レスポンスが統一されて心地いいです。どこにも隙間のない360度の包囲感。好きな映画作品の世界に入り込むことができます。

  • 「トゥイーターギャップダンパー」によって共鳴現象を防ぎ、正確な音色と歪みの少ないサウンドへと進化した、第12世代Uni-Qドライバーを搭載。そのほかスリムかつ美しいスタイリングの中に、強力な磁気回路を持つウーファー、クリアな低域を生み出すポート構造、堅牢なキャビネットなど、コンピューター回析に基づく音響技術の数々を投入したKEFの新定番。光沢感のあるブラックとホワイト、ウォールナットの3色展開でインテリアともマッチさせやすいです。

<インストーラーの推しポイント>

「Rシリーズのトールボーイスピーカーの中でも『R5』は一番コンパクトで、テレビまわりでも、そしてフロントにもリアにも幅広く使えます。KEFの特長でもある『Uni-Qドライバー』は定位がよく、センタースピーカーが置けないような環境でもセリフをキッチリ中央に定位可能です。」

  • アバック新宿店
    菅原義純さん

試聴予約はこちら

KEF JAPANでは現在、これらの新世代スピーカーの試聴予約をホームページから受け付けています。日本全国、お近くの展示店舗で聴くことができます。ご興味のある方はぜひアクセスを!

視聴予約フォームはこちら

  • 対象KEF正規販売店にてサウンド体験のご予約を承り中です。上記リンク、またはQRコードよりアクセスしてみてください。

SPEC

「KC62」
●アンプ出力:500W×2(RMS) ●ユニット:165mmウーファー×2 ●接続端子:アナログ音声入力×1、アナログ音声出力×1、スピーカー入力×1(専用アダプター) ●消費電力:最大1000W ●外形寸法:256W×250H×248Dmm ●質量:14kg

「LS50 Meta」
●型式:2ウェイ・バスレフ型 ●ユニット:Uni-Qドライバー(25mmMAT搭載ベンテッド・アルミニウム・ドーム・トゥイーター/130mmアルミニウムウーファー) ●再生周波数帯域:47〜45,000Hz ●感度:85dB ●インピーダンス:8Ω ●外形寸法:200W×302Hx280.5Dmm ●質量:7.8kg

「R5」
●型式:3ウェイ・バスレフ型 ●ユニット:Uni-Qドライバー(25mmベンテッド・アルミニウム・ドーム・トゥイーター/125mmアルミニウムウーファー)、130mmハイブリッド・アルミニウム・ウーファー×2●再生周波数帯域:38〜50,000Hz ●感度:87dB ●インピーダンス:8Ω ●外形寸法:175W×1025H×343.5Dmm●質量:27.3kg

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