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  • 連載 伊尾喜大祐のシン・イオキネマの夜明け
    第24回「8Kプロジェクターを2機比較視聴」

    取材・執筆 / 伊尾喜大祐
    2022年8月5日更新

ホームシアターの総合誌「ホームシアターファイルPLUS」でも執筆されている伊尾喜大祐さんが、夢の映画館「シン・イオキネマ」づくりを決意! 本連載では、映画館づくりを決意したきっかけから完成するまでの模様を完全密着ドキュメントでお送りします。どのタイミングでどんなことが進行するのか? 映画館づくりにどんな想いがあったのか? 読んだらホームシアターを作りたくなること間違いなし!

まさにため息モノの2面同時比較視聴

視聴日当日、視聴室へと案内されるとそこには2枚の120インチスクリーンが並んでおり、それぞれV90RとV80Rから映像を同時投影するという、掟破りの環境が用意されていました。メディア事業部の那須洋人さんと佐伯隆昭さんにアテンドしていただきつつ、さまざまなデモ映像を視聴していきます。

印象的だったのは8K/HDR/60p撮影のブルガリアとウズベキスタンの映像です。ブルガリアの大自然が織りなすさまざまな「緑」や、民族衣装の鮮やかな「赤」の発色が実に鮮烈。そしてウズベキスタン市街の建築物に刻まれた幾何学模様のシャープなディテールとターコイズブルーのタイルの深い発色に、僕はため息をつき続けました。

  • 2面の120インチスクリーンに「DLA-V90R」と「DLA-V80R」の映像を投写しているところ。右側がDLA-V90R、左側がDLA-V80R。
  • スクリーンはStumpflというブランドのマットタイプを使用している。ゲインは1.0。

続けて自分が制作に関わったブルーレイ作品でチェック。『今夜、ロマンス劇場で』では、デートの場面で綾瀬はるかが身につける、さまざまなファッションが一層カラフルでした。それでいて狙いである昭和の日本映画の淡いトーンも見事に両立させてくれるから驚きです。『怒り』では沖縄の海の俯瞰ショットで、海のあまりの透明感に吸い込まれそう。そしてUltra HDブルーレイ『君の名は。』では、二次元の映像とは思えないほどに立体的な、彗星の輝きと虹色の軌跡に唸りました。

  • 視聴にはJVCの4K/HDRデモディスク(写真) のほか、8Kで撮影した映像をPCから入力した映像、伊尾喜さんが制作に関わったブルーレイディスクなどを用いました。

次回はこちら>>>第25回「全ての機器をインストール」

前回はこちら>>>第23回「最後の大物”プロジェクター”を決める」

導入する8Kプロジェクターが決定!

こうして同時投写で比較すると、V90RとV80Rの500ルーメンの照度差は想像以上に大きく、巨大な有機ELモニターの如き鮮烈さのV90Rと比較すると、V80Rはやや分が悪くさえ思えましたが…、ちょっと待て自分。比べるべきはこの2機種ではなく、愛用中のVW500ESなのでは? 

  • V90RとV80Rでは光源を刷新。JVC独自のレーザー光源技術「BLU-Escent」は以前のフラグシップ「DLA-Z1」で初採用されていた技術ですが、今回はレーザーダイオードパッケージから刷新。  高輝度と20,000時間の長寿命を両立させています。右がZ1で使用していたレーザーモジュールで、左がV90R/V80Rで採用するレーザーモジュール。

そこで改めてV80R単体で視聴させてもらうと……もう十二分に素晴らしいクオリティの映像がそこにありました。そもそも新シアタールームは窓のない全暗環境であり、必要上に明るさを稼ぐ必要はないのです。V90Rにはハイグレードなレンズという圧倒的な優位性もあるが、精細感という面では、現状のVW500ESでも満足できています。もちろんV90Rが買えればそれに越したことはないのですが…。100万円という価格差はやはりネックになります。脳裏にチラつく新居の建築費用(しかも予算オーバー気味)もブレーキとなり、さんざん悩んだ結果、遂に決断! 新シアターのプロジェクターはV80Rに決定!

  • JVCケンウッド株式会社
    MS分野メディア事業部ソリューションBU
    プロジェクト・マネジメント 
    那須洋人 氏