中庭を望む窓に、スクリーンが出現！
岐阜で育った桧を使う家づくりに魅かれ、新和建設で住まいを新築することにしたYさんは、中庭を望む家をコンセプトに家づくりをスタート。庭芯設計事務所の橋本氏の設計による和風モダンテイストの中庭に面するように、LDKに大きな窓を取り、どこにいても緑のなかで暮らすような心地よさが味わえるようにしました。
晴れ渡った休日、気持ちよさに誘われて窓を開けると、庭の木々が風にそよいでいます。スピーカーから流れるジャズに耳を傾けていると、それだけでほっこり。Yさんの家はそんな幸せに満ちています。
- 床や柱などに上品な色合いの岐阜産の桧がふんだんに用いられた優しげなリビングに、ホームシアターがさり気なくインストールされています。
- スクリーンの裏にある掃き出し窓を開けると、縁側の和風モダンな中庭が広がっています。紅葉や三葉躑躅（ミツバツツジ）、紫陽花、侘助などが植えられ、配置の妙に魅せられます。
そんな住まいに「サプライズをもたらす」、驚きのホームシアターがインストールされています。担当したのはNEXTの加藤友宏氏です。「リビングシアターというと、テレビの前にスクリーンが下りてくる2ウェイだと思っていた」というYさんの予測を鮮やかに裏切った加藤氏の提案は、「中庭に面した窓の前にスクリーンを下ろしませんか」というもの。「目から鱗のアイデアに惚れて、中庭を望むホームシアターづくりをスタートさせました」とYさんは振り返ります。
- 中庭を望めるように、ロの字型の間取りを採用しています。周囲を気にせず、緑とつながることができます。
- 中庭からリビング側を見たところ。遮るものがなく、リビングからも左側のダイニング側からも庭を眺められます。
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機器の収納もコントロールもスマートに
Yさんが重視したのは、機器をスマートに収納することです。加藤氏はその想いに応えて、スタイリッシュなリビングシアターを構築していきました。大画面は実現可能な最大サイズということで、129インチを採用。プロジェクターはソニー「VPL-VW315」で、隣室の壁を掘り込んで収めています。スピーカーは埋め込み、アンプなどの機器はバックヤードに収めました。
- スクリーンは129インチ。視聴位置、およびプロジェクターの投写距離から最適なサイズを導き出しました。上部にある下がり天井と間接照明がスタイリッシュです。
- スクリーンは下がり天井を掘り込み、ロールスクリーンとともに収めています。下がり天井に切り込みを入れ、スクリーンケースが目立たないようにカバーしていますが、このスタイルに落ち着くまでに建築士とともに試行錯誤を繰り返したそうです。
- センタースピーカーにはLINNの埋め込みタイプ「CUSTOM2K 106C」を採用。傾斜をつけ視聴位置に最適なサウンドが届くようにインストールされています。
- リビングの動線を妨げないよう、フロントスピーカーにも埋め込みスピーカーを選択しました。
- AVアンプなどの機器類はバックヤードに収めています。クレストロンのホームオートメーションシステムで機器を制御しているので、リビングと離れた場所に機器を置いていても、操作に支障はありません。
- プロジェクターはソニーの4K／HDR対応モデル「VPL-VW315」。「NHKの紀行番組『世界ふれあい街歩き』をよく観るのですが、プロジェクターで観ると、臨場感がすごく、まるで現地に行った気分になります」とYさん。
スクリーンから瑞々しい緑に変わる非日常感
さらに、iPadをリモコンにしてホームシアターや照明をワンタッチで操作できたり、ダイニングには魔法の鏡のようなディスプレイ「INTELUX」を設えるなど、近未来を感じさせるソリューションも盛り込みました。
「スクリーンから瑞々しい緑へ、シーンがダイナミックに変わる。そんな非日常感を味わえる住まいができて大成功でした」とYさん。大胆なシーンチェンジが楽しめる住まいは、Yさんの暮らしに日々驚きをもたらしているようです。
- クレストロンのホームオートメーションシステムを活用することで、ホームシアター関連機器や照明などを、iPadでタッチ操作できるように、プログラミングされています。
- スクリーンの左側には65インチテレビが壁掛けされています。テレビの前にスクリーンを下ろさなかったことが、加藤氏ならではの斬新な提案です。
- マランツのネットワークレシーバー「M-CR611」により、ネットワークオーディオ環境も構築。ダイニングにもLINNの埋め込みスピーカー「DISKREET」を設置し、NASに保存している音楽を楽しめるようにしています。
- ダイニングにはミラーディスプレイ「INTELUX」を設えています。鏡の効果を持ちながら光と電波を透過する特殊ガラスを採用しており、映像を映すと色彩鮮やかな映像が浮かび上がり、消すとテレビの存在が消えるという、魔法のようなディスプレイです。
- インストールを手掛けたNEXTの加藤友宏氏
写真／佐藤日出夫
Y邸ホームシアター概要
HOMETHEATER DATA
●住宅形態：戸建／新築 ●家族構成：夫婦／子ども2人 ●ホームシアターの広さ：約25畳 ●画面サイズ：129インチ＋65インチ ●サラウンド：5.1ch ●インストール内容：機器設置、システムプランニング、かんたん操作、音楽配信 ほか
SYSTEM LIST
●プロジェクター：ソニー VPL-VW315 ●スクリーン：キクチ 129インチ（特注） ●ブルーレイレコーダー：ソニー BDZ-ET2200 ●AVアンプ ソニー：STR-DN1060 ●フロントスピーカー：LINN CUSTOM2K 106C ●センタースピーカー：LINN CUSTOM2K 106C ●リアスピーカー：LINN DISKREET ●サブウーファー：PIEGA PS 1 ●メディアストリーミング端末：Apple Apple TV ●ホームオートメーションシステム：Crestron CP3 ●ミラーディスプレイ：INTELUX 2600W×900Hmm ●液晶テレビ ソニー：KJ-43X8500C ●液晶テレビ パナソニック：TH-24D320 ●音楽配信用コンポ マランツ：M-CR611 ●BGMスピーカー：LINN SWEETSPOT 2基 ●BGMスピーカー：LINN DISKREET 2基
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