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実例

  • リビングシアターCASE56
    マニアの心も躍らせたプロのインストール術
    クオリティと美しさを両立した130インチ&7.2.4chシステム

    取材・執筆 / 塚田真由子(ホームシアターファイル編集部)
    2024年2月7日更新

カリスマインストーラーが手掛けたホームシアター

学生の頃にオーディオに目覚めて30年以上経つというIさん。映画も大画面と高画質で楽しみたいという想いから、ホームシアターにもいち早くチャレンジ。97年当時に一世を風靡したヤマハのAVアンプ「DSP-A1」とLINNのスピーカーでホームシアターを楽しんでいたという、この道のベテランです。

Iさんがセカンドハウス兼仕事部屋の設計をきっかけにマンションにつくり上げたのが、このリビングシアターです。メープル色のフローリングに、樺桜の壁材など、明るい色味で統一されたインテリアは、美しいだけでなく、どこか温もりを感じさせてくれます。

そんなこだわりの住まいと調和するホームシアターを手がけたのが、本誌主催の「ホームシアターグランプリ」で総合金賞を幾度となく受賞し、カリスマインストーラーとして名高い、アバックの諏訪勇治氏です。

  • 神奈川県内某所のマンション、最上階に設けられたリビングシアターです。メープル色の床に合わせて、明るく優しい色味でまとめられています。

ハイエンドの機器選定から美しい設置まで秀逸

フロントおよびセンタースピーカーは「床のメープル色にマッチするデザインのものがほしい」というIさんの要望に合わせて、KEF「Rシリーズ」のウォールナットをチョイス。元々英国ブランドのスピーカーのサウンドを好んでいたIさんに、諏訪氏がお薦めし、試聴を繰り返した末に「Rシリーズ」に至ったのだといいます。サラウンドとトップスピーカーには埋め込みタイプを選ぶことで、すっきりとした美観を損ねずに、ドルビーアトモス7.2.4chにも対応しています。さらに、埋め込みスピーカーはダウンライトの位置に合わせてシンメトリーに配置するなど、細部まで徹底的にこだわっており、まさにプロの技です。

  • フロントスピーカーには、KEF「Rシリーズ」のフラグシップ「R11」をチョイス。サブウーファーには同じくKEF「KF92 Subwoofer」を2台設置して、迫力あふれる低域を楽しめるようにしています。
  • 天井埋め込みスピーカーは全部で8基。シンメトリーなだけでなく、ダウンライトの位置に合わせてスピーカーを埋め込む、こだわりよう。まさにプロがなせる技。

映像機器も規格外です。スクリーンはこの空間に収まる最大サイズ、130インチの大画面。プロジェクターはビクターの8K入力対応「DLA-V90R」。眼前に包み込むような映像の迫力、美しいコントラストに圧倒されます。

  • プロジェクターには、家庭用プロジェクターとして初めて8Kダイレクト入力に対応したビクター「DLA-V90R」を選びました。アバック新宿本店の視聴会で画質をチェックし、大口径レンズならではの高精細な映像に惚れ込み、導入を決めたとのこと。
  • ヤマハのAVアンプ「AVENTAGE(アベンタージュ)」の最高峰モデル「RX-A8A」や、パナソニック「ディーガ」史上最高画質を謳う「DMR-ZR1」などの機器類は、樺桜材のAVラックに収められています。なお、このラックは、Iさん自らが九州のオーダーメイド家具店にオーダーして製作してもらったのだそうです。

ブーミーにならずに迫力あふれる低域に驚嘆

「KEFの『Rシリーズ』の音のよさは予想以上のものでした。ボリュームを上げても、低域は決してブーミーにならない。それでいて迫力はたっぷりなんですよね。Apple Musicのロスレスオーディオでオーケストラを聴いてみましたが、ホールの広大な広がりを感じることができ、驚きました」とIさんは満足そうです。

オーディオマニア心をくすぐる機器選定で、音楽や映画と対峙する時間をより豊かなものにした、きめ細やかなインストール。匠の技が生んだ、心からリラックスできる、非の打ちどころのないリビングシアターです。

  • 130インチスクリーンを上げると、ソニーの有機ELテレビ「XRJ-83A90J」が、樺桜材を一面に使った壁に設置されています。シンメトリーに配置されたスピーカー、スピーカーと部屋とのバランスなど、まさにパーフェクトな仕上がりです。
  • 視聴位置後方。天井には三菱電機照明の青空照明「misola」(みそら)が設置されています。パネルを青く光らせることで、まるで青空のような光を表現する、新時代の照明器具です。
  • リクライニングチェアはカリモクの「THE FIRST」。床のメープル色に合わせ、チェアの木部もピュアメープル色を選んだそうです。革部も落ち着いたホワイトで優しげな雰囲気。
  • I邸ではパナソニックの「アドバンスシリーズ リンクプラス」対応スイッチとLEDライトを採用しています。専用スマホアプリにより、ライトの点灯、消灯、調光、調色も思いのまま。「映画鑑賞」や「だんらん」「くつろぎ」など、予め設定したシーンにワンタッチで切り替えることもできます。
  • 『スター・ウォーズ』シリーズなどのSF映画が好きだと語ってくれたIさん。最近はApple TV 4Kで映画を観ることが多く、4Kやドルビーアトモス対応の作品が配信されていることに驚いたといいます。また、シンガー・ソングライター&ギタリストであるReiの作品や、ヒラリー・ハーンなどのクラシックを聴くことが多いのだそうです。
  • インストールを手がけたアバック新宿本店の諏訪勇治氏
  • 営業担当のアバック新宿本の飯塚博志氏(アバックホームシアター千葉オフィス所属)

写真/広井一成

I邸ホームシアター概要

HOMETHEATER DATA
●住宅形態:マンション/セカンドハウス ●家族構成:夫婦+子ども ●ホームシアターの広さ:約23畳 ●画面サイズ:130インチ+83インチ ●サラウンド:7.2.4ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ビクター DLA-V90R ●スクリーン:キクチ TGE-WL130HDCW ●有機ELテレビ:ソニー XRJ-83A90J ●Ultra HDブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-ZR1 ●AVアンプ:ヤマハ RX-A8A ●フロントスピーカー:KEF R11 ●センタースピーカー:KEF R2c ●サラウンドスピーカー:KEF Ci160QR ●サラウンドバックスピーカー:KEF Ci160QR ●トップフロント リアスピーカー:KEF Ci160QR ●サブウーファー:KEF KF92 Subwoofer 2基 ●メディアストリーミング端末:Apple Apple TV 4K ●プロジェクター用HDMIケーブル:シーエスシー HDMI-AOC

INSTALL
アバック新宿本店
〒160-0023
東京都新宿区西新宿7-5-9
ファーストリアルタワー新宿3F
TEL:03-5937-3150 
https://corp.avac.co.jp/

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