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  • 短期集中連載 ホームシアターQ&A
    PART.15「狭くてもホームシアターはつくれる?」
    プロが疑問に答えます!

    取材・執筆 / 鴻池賢三/井田有一
    2022年8月19日更新

    • VGP審査副委員長
      鴻池賢三

ホームシアターのプロが、映画館のある家づくりに役立つ知識・ノウハウをお届けしていく連載企画。
後悔しないホームシアターづくりのために、ぜひお役立てください!

狭くてもホームシアターはつくれる?
「狭くても大画面はつくれる」

4畳半や6畳間でも、その気になれば立派なホームシアターです。ただし至近距離で大き過ぎる画面を観ると動画酔いを起こしますし、立派過ぎるオーディオ機器はパワーや性能を存分に発揮できないかもしれません。狭小空間に適した製品もたくさん発売されていますので、最適な選択が成功の鍵といえます。狭い部屋で大画面を楽しむならコンパクトなプロジェクターがお薦めです。数十センチの投写距離で100インチも可能な超短焦点タイプも人気です。

解像度だけで考えますと、4K画質なら画面サイズの高さの1.5倍の距離が推奨といわれています。ただその場合、ゲームのように画面全体を見るコンテンツは目が疲れてしまうことも。写真は6畳間の短辺に100インチスクリーンを設置した好例。スピーカーを天吊りしたことで、視聴位置と画面サイズ、音のバランスが取れています。
OPTOMA「P1」はサウンドバー級のスピーカーを内蔵する超短焦点プロジェクターです。白壁さえ確保できれば、置くだけで大画面も迫力のサウンドも実現できます。(オーディオ・ビジュアル評論家 鴻池賢三 氏)

狭くてもホームシアターはつくれる?
「視覚の情報制限で壁の存在を感じづらく」

「ホームシアターファイルPLUS」誌では「6畳間で100インチ」を推奨しています。一般的なプロジェクターで100インチに必要な投写距離は約3m。その半分くらいの短焦点モデルも種類が増えていますので、部屋の狭さはもう制約にはなりません。また、名古屋のショップ「NEXT」で体験した「BLACK ROOM(ブラックルーム)」は感動的! 部屋全体を黒で統一して極限まで視覚の情報を制限することで、たとえ狭小空間だとしても壁の存在は一切感じません。

NEXTが提案するブラックルームは、ただの黒い部屋ではありません。漆黒の空間です。黒が光を吸収し、迷光も少ない、ただ映像世界への没入を誘うのです。そうした視覚が制限された空間だからこそ、壁の存在は一切感じません。闇の向こう側には無限の空間が広がっているようにすら感じます。このブラックルームがあれば、狭さからも解放されるかもしれません。(ホームシアターファイルPLUS編集長 井田有一 氏)

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このギモンに回答してくれた専門家

鴻池賢三 氏
VGP審査副委員長
オーディオ・ビジュアル評論家
メーカーにてAV機器の商品企画職、アメリカ・シリコンバレーのデジタルAV機器用ICを手掛けるベンチャー企業を経て独立。THX/ISF認定のホームシアターデザイナーとしても活躍する。

井田有一 氏
株式会社 音元出版
ホームシアターファイルPLUS編集長
1979年、群馬県生まれ。2006年に音元出版に入社。以来長く携わっているホームシアター事例の取材数は200件以上。お気に入りの映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ。趣味はサイクリングと自転車いじり。