ホームシアターは映像を駆使した総合芸術。心地よい空間づくりには“光”環境も大切な要素のひとつです。特に部屋の真ん中に大きな光源を一灯配置するだけでは画面に光が映り込んでしまうので、ダウンライトやブラケット(壁掛け)、フロアライト(足元)、デスクライト(手元あかり)などを組み合わせて使うのがお薦めです。
「籠」を意味するモジュラーシステム照明「コリ」
ご紹介するのは、2023年秋に日本発売が予定されている「Kori(コリ)」シリーズです。コリを発売するのは、フィンランドの老舗ブランド「Artek(アルテック)」。1935年にアルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト、マイレ・グリクセン、ニルス=グスタフ・ハールの4人の若者が「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」を目的に立ち上げました。この10月にはアルヴァ・アアルトの生涯を辿るドキュメンタリー映画『アアルト』の日本公開も決まっています。
- Artek
「Kori」シリーズ
設立の目的からもわかるように、アルテックの照明器具はその姿形だけではなく、建築との関わりあいも考慮され、空間の雰囲気づくりに意を払っています。新作のコリも同様です。行き着いたのはムダを削ぎ落したシンプルな美しさと、効率的なモジュラーシステムでした。
- 左から「コリ ペンダント・ディスク シェード」、「コリ ペンダント・デューン シェード」、「コリ ペンダント」、「コリ デスクライト」、「コリ フロアライト」。一灯でも、複数の多灯使いでも、シアタールームの雰囲気に合わせて魅力的なムードをつくりだしてくれます。
本製品を手がけたストックホルムのデザインスタジオ「TAF」のガブリエラ・レンカとマティアス・シュタルバウムは次のように語っています。
「決して眩しくなく、空間の雰囲気自体を作り出すような光。『コリ』シリーズで挑んだのはまさにそのような光の表現でした。あらゆる空間やシーンに合うよう、さまざまなモデルを考案しました。電球を覆う籠のような中心部、シェード、リフレクター部品を試行錯誤し、個性豊かな5つのバリエーションを揃えたシリーズとして完成しました」
- 独特の中心部が、直接光と間接光の調和を生み出し、柔らかな木漏れ日のように木の枝のあいだから差し込む光を生み出します。
- サイドテーブルの手許あかりにはもちろん、テレビ裏側やソファ脇の間接照明、操作が必要な機器を照らすのにもお薦めです。
「形状と機能の融合」を目指したモダニズムの精神。それを現代に具現化したコリは、フィンランド語で籠やバスケットを意味するそう。ペンダントやフロアライト、デスクライトなど、シリーズで展開されるさまざまなライトをうまく組み合わせて使うことで、ホームシアターを機能的かつ優しく彩ってくれることでしょう。