CONTENTS
・“5万円以上”なら別次元のサウンド体験ができる!
・SONY「HT-G700」
・SHARP「8A-C22CX1」
・SONOS「Arc」
・高橋敦が選んだベストバイは?
・SPEC
“5万円以上”なら別次元のサウンド体験ができる!
手軽におうち時間をグレードアップできるサウンドバー。PART2は、前回に引き続き、VGPアワードで審査員を務める高橋敦氏による「ミドルクラス(5万円以上)」の新作モデル全3機種のレビューをお届けします。
5万円以上のモデルには、多くのスピーカーとアンプを内蔵することで、ドルビーアトモス/DTS:Xといった高さ方向の表現をよりリアルに再現できる製品が多く、テレビの内蔵スピーカーとは別次元のサウンド体験を得ることができます。
- 新作サウンドバーは、ほとんどがテレビとの接続はHDMIケーブル1本でOK(ただしサウンドバーとケーブルが共にARC対応かeARC対応か要確認!)。サブウーファーもサウンドバーに内蔵されているか、ワイヤレスで接続できるものばかり。ケーブルがごちゃごちゃせず、すっきりと設置できます。
- 入門機から高級機まで、上下左右、半球状にサウンドが広がる「ドルビーアトモス」の再生に対応したモデルが揃っています。多数のスピーカーを用意せずとも、Ultra HDブルーレイやNetflix、4K/8K放送で広がる「3Dサラウンド」が楽しめます。
PART1はこちら>>>いまこそテレビでホームシアターを!新作サウンドバー比較テストPART1
SONY「HT-G700」〜ソニー独自のオンパレード トータルの完成度が高い!
- SONY
「HT-G700」
¥OPEN(実勢価格¥66,000前後)
サウンドバーのカテゴリーで絶大な支持を集めるソニーによる、2020年の最新モデル。その土台となる「S-Force PROフロントサラウンド」「Vertical Surround Engine」といった独自技術を着実に進化させ、音場をさらに広げることに成功しています。加えて見逃せないのは、ワイヤレスサブウーファーを同梱、そしてサウンドバー本体にセンタースピーカーを搭載した3.1ch構成となっていること。音場を広げるだけではなく、その音場の中心に置かれる台詞や歌声の存在感も高めることで、幅広いコンテンツにマッチするように表現のバランスを整えてあるところはさすが! 本体正面にディスプレイが搭載されているのも便利です。
音調、サラウンドの広がりともに、近年のソニーらしいスムースさが持ち味。嫌な音や不自然な音を出さないように、丁寧に作り込まれている印象です。余計な音は出さない聴きやすさと、音の配置やバランスなどいわゆるサウンドデザインの妙、制作側のこだわりを感じさせる細部までの描き込みを高度に両立させているというのは、この価格帯のスピーカーとしてなかなかすごい!
- 「HT-G700」の傾向表
- Wi-Fi -
Bluetooth ○
HDMI ○
音声操作 -
ドルビーアトモス ○
DTS:X ○
SHARP「8A-C22CX1」〜8K放送でスタートした22.2chを再生できる!
- SHARP
「8A-C22CX1」
¥OPEN(実勢価格¥79,200前後)
8K放送の22.2ch音声に業界初対応。8K液晶テレビ「AQUOS CX1」ラインと組み合わせれば、8K放送を映像と音声の両面ともに最高のクオリティで楽しめる、というのが最大のウリです。3ウェイ10スピーカー構成で独立駆動6chデジタルアンプを積んだ総合400Wのハイパワー設計。このサウンドバーで22.2chを仮想再現する手法として、立体音響再生技術「OPSODIS」が採用されています。この技術は、5.1chなどの既存のサラウンド、ステレオ音源の再生時にも力を発揮します。サブウーファーは別筐体でサウンドバーもかなり大柄ですが、そもそも「AQUOS CX1」が60インチ以上というラインアップなので、それを余裕を持って置ける環境ならば問題ないでしょう。
サラウンド表現は十分納得のレベル。帯域バランスはデフォルトだとローとミッドの間が少し抜け気味で音場が薄味に感じるが、リモコンの専用ボタンでさっと調整できる「BASS」と「SW LEVEL」で本体の低音とサブウーファーの超低音を少し持ち上げると充実感が出てきます。調整のしやすさと調整幅が確保されていて、使いこなし甲斐もあるアイテムといえます。
- 「8A-C22CX1」の傾向表
- Wi-Fi -
Bluetooth ○
HDMI ○
音声操作 -
ドルビーアトモス ○
DTS:X -
SONOS「Arc」〜音も使い勝手もまさにプレミアム
- SONOS
「Arc」
¥108,800(税込)
最先端のネットワークオーディオを、スマートなスタイルで展開する、米国ブランドのサウンドバー。76,000個の穴で構成されたグリルの仕上げも美しく、シンプルなデザインですが中身は複雑かつ本格的。天井に音を反射させる「アップファイヤリングスピーカー」でドルビーアトモスに対応したことがポイント。合計11(ウーファー8基+トゥイーター3基)のスピーカーを内蔵。音声操作もOK、同社ワイヤレススピーカーを付け足して、チャンネル数を増やすこともできます。スマホアプリの完成度も高く、「Trueplayチューニング」がユニーク。部屋のあちこちにスマホを持ち歩いて音響測定、ユーザーの部屋にとってベストなチューニングに自動設定してくれます。
実際に試聴してみると、高さだけでなく左右にせよ奥行きにせよ、サラウンドの空間表現の広さは今回屈指。映画ではBGMや背景音が大きく広がりセンターのスペースに余裕が生まれ、そこに置かれたセリフもすっと綺麗に浮き上がります。帯域バランスはミッドからローエンドが充実、映画にせよ音楽にせよ厚みと力感に優れた表現を楽しませてくれます。
- 「Arc」の傾向表
- Wi-Fi ○
Bluetooth ○
HDMI ○
音声操作 ○
ドルビーアトモス ○
DTS:X -
高橋敦が選んだベストバイは?
PART2「5万円以上(ミドルクラス)」では、サラウンド再生に対応するほか、自動音場補正や8K放送で始まった22.2ch再生に対応するなど、サラウンドの再現性に優れたモデルをレビューしました。
操作性の面では、高機能モデルになればなるほど、本体にディスプレイがあるモデルが多く存在します。サウンドモード切り替えやベース強化などの状態を操作に応じて目でも確認でき、使いこなしを楽しむためにはディスプレイは必須と感じました。
総合的な完成度としては、ソニー「HT-G700」が印象的でした。8K放送に対応する先進性ではシャープ、シンプルかつ快適に操作できてインテリアともマッチしやすいSonosも捨て難く、いずれ劣らぬ実力派揃いです。ぜひ、店頭でもチェックしていただけるとうれしいです。
・いまこそテレビでホームシアターを! 新作サウンドバー比較テスト PART1 5万円未満(スタンダードクラス)
・いまこそテレビでホームシアターを! 新作サウンドバー比較テスト PART2 5万円以上(ミドルクラス)
SPEC
SONY「HT-G700」
<総合>●最大出力:400W ●スピーカー構成:3.1ch
<サウンドバー>●接続端子:HDMI出力(eARC/ARC)×1、HDMI入力×1、光デジタル音声入力×1ほか ●外径寸法:980Wx64Hx108Dmm ●質量:3.5kg
<サブウーファー>192W×387H×406Dmm ●質量:7.5kg
SHARP「8A-C22CX1」
<総合>●最大出力:400W ●スピーカー構成:2.1ch
<サウンドバー>●接続端子:HDMI出力(ARC)×1、HDMI入力×1、光デジタル音声入力×1、アナログ音声入力、IR×1、USB×1 ●外径寸法:1200Wx69Hx140Dmm ●質量:4.5kg
<サブウーファー>●外径寸法:261W×337H×261Dmm ●質量:7.2kg
SONOS「Arc」
●定格出力:非公開 ●スピーカー構成:3.0.2ch ●接続端子:HDMI出力(eARC)×1、光デジタル音声入力×1、LAN×1 ●外径寸法:1141.7W×87H×115.7Dmm ●質量:6.25kg