とにかく手軽さが魅力のサウンドバー。テレビの前にポンと置けば音が鳴りますが、ひと手間かけると、セリフやボーカルが明瞭になったり、クセが少なく疲れにくくなったりなど、さらなる音質アップが期待できます。今回は費用や手間をかけず手軽にできるテクニックをご紹介しますので、記事をながめつつチャレンジしてみてはいかがでしょうか？ お手持ちのサウンドバーでワンランク上のサウンド体験を、ハイエンドなサウンドバーもさらにその真価を引き出せるかもしれません。

まず基礎として、ホームシアターのスピーカーは、組み合わせる画面の中央に高さを揃えて設置するのが理想です。なぜかというと、高音域は指向性が強く、ヒトが方向を感知しやすいため。俳優はテレビ画面の中にいますから、声が枠外の下方から聞こえるより、画面の中から聞こえるように感じるほうがナチュラルで、ストーリーに没入できます。しかしこれはサウンドバーの場合、物理的に無理な相談というもの。より理想に近づけたベターな設置を目指しましょう。

サウンドバーの設置場所は、テレビと同じラックの上が多いことでしょう。この場合、サウンドバーをテレビの近く、言い換えるとラックの奥側に寄せてスッキリ見せたいと思うもの。しかしこれが問題になるケースも。ラックの奥行きが長い場合、サウンドバーから放たれた音はラックの天面を反射してしまい、直接耳に届く音と混ざって音色が変化したり、不明瞭になったりしがちです。

もっとも簡単な改善方法は、サウンドバーの前面をラックの先端に揃える「ツラ揃え」。スピーカーから放たれた音がラックの天面に反射しないので、明瞭度アップなど、小さくない改善効果が期待できます。

余談ですが、サウンドバーをテレビと一緒に壁掛け設置するのも一案です。スピーカーの振動が壁に伝わり、音が濁るという別の問題は心配ですが、先述のようなラックの天面を音が反射する問題は解決します。

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• サウンドバーとテレビを設置しているラックなどの土台のふちギリギリで揃えるのがコツ

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• 横から見た図（左）／上から見た図（右）

次に、テレビの枠になるべく近づけて設置すること。ラックの上に設置する場合はテレビの下枠に近づけるのが現実的ですが、上枠でもよいです。

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• 画像お赤い矢印部分の距離が近いほどよいです。購入の際に、テレビのスタンドの高さとサウンドバーの高さをよく見比べて検討してみるのも一手です

またラックが低く、サウンドバーの正面が視聴者の膝より下をねらっているような状態だと、本来の設計よりも耳に高域成分が届きにくくなりがち。この場合、サウンドバーのスピーカーが耳に向くよう、仰角を付けると改善できます。また、仰角を付けると上述のラック天面反射問題も軽減できるので、一石二鳥ともいえます。

高域がしっかり聴きとれると、セリフやボーカルが明瞭に感じられるほか、サウンドバーがそれぞれ備えるバーチャルサラウンド効果なども高まり、広がり感や包み込まれ感も増すでしょう。一方で、高域が耳障りに感じやすい場合の応用テクニックとして、あえて耳に向けないように角度を調整するのもよいでしょう。サウンドバーは低い位置に設置されるのを前提にチューニングされていたり、内蔵スピーカー自体に仰角を設けて聞き取りやすく設計していたりするケースもあるためです。高域の感じ方は個人差が大きいので、自分好みに調整すれば、⻑時間の視聴でも聴き疲れしにくい⾃然なサウンドになるはずです。

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• サウンドバー
  Harman Kardon「Enchant 900」
  ￥OPEN（直販ECサイト価格￥77,000／税込）

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